伊方差し止め口頭弁論 住民側「地震想定過小」、四電側は反論 松山地裁結審

四国電力伊方原発3号機運転差し止め訴訟で、最後の口頭弁論を前に松山地裁前を行進する原告ら=18日午後、松山市一番町3丁目

 四国電力伊方原発3号機で重大事故が起きれば生命や健康が害される恐れがあるとして愛媛などの住民が運転差し止めを求めた訴訟の第40回口頭弁論が18日、松山地裁であり結審した。判決は2025年3月18日。最終準備書面陳述で住民側は、地震や火山噴火の想定が過小で避難計画にも実効性はなく「人格権侵害の具体的危険が認められる」と主張。四電側は原子力規制委員会の新規制基準に適合しており、安全対策は適切だと反論した。

 同訴訟をめぐっては原告側が16年5月、判決までの暫定的な運転差し止めを求める仮処分を申請。松山地裁は17年7月に申請を却下し、抗告も棄却され確定している。福島第1原発事故後、伊方原発に関する同様の集団訴訟は大分、山口、広島の3地裁・支部で起こされており、大分地裁は24年3月に運転差し止めを認めない判決を出した。原告側は即日控訴している。

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