戦後初の”夏の甲子園中止”から4年…引退試合で対戦した2人が大学の全国大会決勝で激突「戦えて良かった」

6月15日、大学野球の日本一を決める大会で、青山学院大学と早稲田大学が対戦しました。新型コロナウイルスの影響で甲子園の舞台を目指せなかった2人の選手が、4年の時を経て激突しました。

■今ではドラフト候補に…青学大・佐々木泰選手

6月15日、大学日本一を争う「全日本大学野球選手権」の決勝で、青山学院大学と早稲田大学が対戦しました。

連覇がかかる青山学院大のキャプテン・佐々木泰(ささき・たい)選手は、岐阜県大垣市の出身で、高校時代は名門・県立岐阜商業でもキャプテンを務めていました。

2020年、新型コロナウイルスの影響で、戦後初めて夏の甲子園が中止となりました。その知らせは、鍛治舎監督から佐々木選手たちへリモートで伝えられました。

鍛治舎巧監督(2020年5月):
よくここまでみんな頑張ったなと思う。目標を切り替えてほしい。何でもいい。野球でもいい、勉強でもいい。次の人生でそのことが生きてくるよ。成長だよ、みんなの。

佐々木選手(2020年5月):
この先、自分たちの目標に向かって、夢をつかみ取れるように頑張っていきたいと思います。

あれから4年が経ち、佐々木選手は秋のドラフト候補にもあげられる程になりました。大会の準決勝では、先制3ランを含む4安打6打点の大活躍で、決勝進出を決める原動力となっています。

佐々木選手:
全国大会にかける思いはもちろん強いですし、そういうプレッシャーに負けずに、勝ち切る強さをずっと求めてやってきた。

■早稲田大・吉納翼選手 「プロに行こう」佐々木選手と交わした約束

決勝戦で対戦する早稲田大の副キャプテン・吉納翼(よしのう・つばさ)選手は、愛知県春日井市出身で、準決勝では逆転3ランを放つなど、プロ注目のスラッガーです。吉納選手も、愛知・東邦高校時代に、夏の甲子園中止を経験しています。

吉納選手(2020年8月):
僕たちの代全員で、もう一回甲子園に行きたかったなというのがあるので、みんなで行きたかったです。

佐々木選手と吉納選手の2人は、高校最後の引退試合で対決していて、「大学では切磋琢磨して、お互いプロに行こう」と約束を交わしていました。

約束から4年、夢の舞台に立てなかった2人が、大学日本一をかけて戦いました。

■「日本一」目指す舞台で

全日本大学野球選手権の決勝では、早稲田大が1点を先制しますが、5回に青山学院大が2本のタイムリーで勝ち越しに成功します。

青学大はその後も追加点を許すことなく、試合は2対1で勝利し、連覇を達成しました。

佐々木選手:
もう一回日本一を目指してスタートしたので、まずは春優勝できたことはホッとしています。高校最後の相手が吉納選手だったんですけど、この大会が始まる前も「決勝で当たろう」と言っていたので、最後対戦できてすごくうれしく思います。

(東海テレビ)

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