薬の収納アイデア!便利グッズや子どもの誤飲を防ぐための収納のコツを伝授

病院でもらった薬や常備している風邪薬など、家の中には意外とたくさんの薬があります。適切に保管しないと必要な薬を探し出すのに手間取るばかりか、小さな子どもが誤飲してしまう危険性も……。今回は薬を収納するときのポイントや注意点を薬剤師が解説します。

薬の収納のコツ

薬を薬箱などにわかりやすく収納するコツは、「種類別」または「飲む人ごと」に仕わけすることです。きちんと分類すると必要なときにすばやく取り出せて、兄弟姉妹間の誤服用も予防できます。

種類別にわける

薬を収納するときは、収納ボックスの仕切りなどを活用して種類別に分類すると便利です。内服薬と外用薬を仕わけしたうえで、内服薬の「風邪薬」「胃薬」「痛み止め」などのように、種類別にわけていきましょう。

ただし、シートを切って1錠ずつバラバラにして保管するのは、おすすめしません。薬の種類がわかりにくくなったり、小さな子どもがシートごと誤飲したりする危険があるからです。

また、用法用量や使用期限を確認するために、薬に付属する添付文書や市販薬の箱などは薬と一緒に保管しておきましょう。なお、薬の形状によっては適した保管場所が異なり、例えば開封後のシロップ剤は冷蔵庫で保管するなどの必要があります。

薬を飲む人ごとにわける

家族一人ひとりの薬をわけて収納するのもおすすめです。とくに兄弟姉妹がいる場合は、子どもごとに分類すれば服用時にサッと取り出せて、渡し間違えるリスクも減らせます。

酔い止めや風邪薬などの市販薬は年齢ごとに用法用量が異なり、年齢が低いと服用できないケースもあります。兄弟姉妹間で同じ薬を共有できないことがあるため、飲む人ごとにわけて収納すると飲み間違いを防げます。

薬の収納に役立つ便利グッズ

薬の収納に役立つグッズは一般的な救急箱のほかに、100円ショップや雑貨屋、ネット通販などで手軽に購入できます。収納棚や引き出しなど薬の置き場所を決めて、適したサイズの収納ケースやトレイなどを選ぶのがポイントです。

ケースの中に複数の薬が混在すると見づらくなってしまうので、ジップロックや仕切り板を使って区切りましょう。

子どもの薬の誤飲を防ぐための収納ポイント

小さな子どものいる家庭では、子どもの薬の誤飲を防ぐ工夫が必要です。東京消防庁は令和元年から5年までの5年間に5歳以下の子ども5528人がたばこや薬などの誤飲・窒息事故で救急搬送したことを報じており、誤飲事故は決して他人ごとではありません(※1)。

子どもの誤飲を防いで薬を収納するためのポイントは次の2つです。

子どもの目につかない場所に置く

薬の誤飲を防ぐために、小さな子どもの目につかない場所・手の届かない場所に薬を保管しましょう。扉付きの収納棚やキッチンボードの一番上の棚など、子どもが関心を抱きにくい場所を選ぶのがポイントです。

なお、自分で歩けるようになると、子どもは椅子や踏み台などを足場にして高い所のものを取ってしまう場合があります(※2)。小さな子どもは周囲への関心が高くママ・パパのマネをしたがるため、「子どもの手が届かないから大丈夫」と安心せずにさまざまなケースを想定しましょう。

子どもが開けられない袋やケースを使う

万が一小さな子どもが薬を手にしても、自力で開封できない袋やケースを使用していれば誤飲を防止できます。噛んでも破れにくい素材の袋や、子どもが開けられないロック付きのケースなどを選びましょう。また、市販の子ども用風邪シロップなどには「チャイルドレジスタンス包装容器」と呼ばれる子どもが開けにくい構造の容器の薬も販売されているので、そのような製品を選ぶのもひとつです。

普段は薬の置き場所に注意していても、他の子どもに飲ませるために薬箱を一時的に床に置いてしまうケースもみられます。実際にそのような状況での乳幼児の誤飲事故も報告されているため、もし子どもが薬を手にしても誤飲できないように備えることが重要です(※2)。

薬の保管時の注意点

保管している薬は定期的に見直して、期限切れの薬を処分しましょう。薬を保管する際には、直射日光や多湿な場所を避けることも必要です。

粉薬は湿気に弱いので、乾燥剤を入れて缶で保管することをおすすめします。ただし、お菓子の缶を利用すると小さな子どもの関心を引いてしまう場合もあるので注意しましょう。

薬を適切に収納しましょう

薬は種類ごと・飲む人ごとに分類し、収納場所に合った収納ケースにジップロックなどを使って収納しましょう。子どもの誤飲事故を防ぐためには子どもの手や目の届きにくい場所に保管し、もし子どもが手にしても開封できないタイプの袋やケースを用いることがポイントです。

薬を安心・安全に保管して、誤飲・誤用を未然に防ぎましょう。

<参考文献>
※1 東京消防庁「乳幼児の窒息や誤飲に注意!」
※2 東京都健康安全研究センター「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書【概要】—子供による医薬品誤飲事故—(消費者安全調査委員会)」

PROFILE

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューも開発。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010081

●Medical Health CH:https://www.youtube.com/playlist?list=PLha9jt4tT7-xa-y83vBY8Ir-1-FqAYyWj

© 株式会社ベネッセコーポレーション