ダコタ・ファニングが挑んだ特殊すぎるセット…毎晩のぞき見されるガラス張りの部屋とは?

夜になると鏡に… - 映画『ザ・ウォッチャーズ』のガラス張りの部屋 - (c) 2024 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED

M・ナイト・シャマラン監督の娘であるイシャナ・ナイト・シャマランA・M・シャインの小説を基に脚色、初監督に挑んだホラー映画『ザ・ウォッチャーズ』の舞台となるのは、森の中にあるガラス張りの部屋だ。主演のダコタ・ファニングは「わたしが出会った中でも、最も特殊なセットの一つだったかもしれません」とこの部屋を表現している。

ダコタが演じたのは、孤独なアーティストのミナ。黄金色の鳥を届けるために出掛けた彼女は地図にない森で道に迷い、逃げ込んだガラス張りの部屋で見知らぬ3人に出会う。その部屋は、夜になると謎の“何か”にのぞき見されるという。部屋には「“監視者”に背を向けてはいけない」「決してドアを開けてはいけない」「常に光の中にいろ」という三つのルールが存在し、一つでも破ったら殺されてしまう……。

ダコタは「この部屋は、登場人物をウォッチャーズ(監視者)から安全に守るのと同時に、ウォッチャーズに彼女たちを監視する手段も与えています」と明かす。「夜になると鏡になる大きな窓があり、登場人物たちは外を見ることができないけれど、外にいる“何か”は中を観ることができる。ミナはほかのキャラクター同様、ほとんどの場面で何が起こっているかわかっていない。この世には知り得ないものがあると印象付けられます」

イシャナ監督は、『パンズ・ラビリンス』『ウィッチ』『アンチクライスト』といったダークファンタジーからインスピレーションを得て、美術監督のファーディア・マーフィと共にこの謎の部屋を作り上げた。そして監視社会を生きる現代人の姿を、演劇的要素を取り入れて演出することにしたのだという。

ガラス張りの部屋は夜になると内側が鏡になり、見つめた先には“もう一人の自分”がいる。ダコタは「最初の頃は、ほとんど鏡を入れて撮影しました。常に自分を見ざるを得ない状況は変な感じがしたけど、ミナたちが感じるであろう不安感を助長してくれるようで役に立ちました。そして鏡がない撮影の時は、ある意味カメラが“監視”役になる。とても興味深い世界でした」と振り返っている。のぞき見される恐怖、そしてガラス張りの部屋が暴き出す登場人物たちの秘密とは? 待ち受ける衝撃のエンディングに注目だ。(編集部・市川遥)

映画『ザ・ウォッチャーズ』は6月21日より全国公開

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