クマと人との境界線「緩衝帯」を整備 大学やスポーツ施設立ち並ぶエリアで草木を刈り取り 秋田市

秋田県内では連日多くのクマの目撃情報が寄せられているほか、人身被害が相次いでいる。秋田市の大学やスポーツ施設が立ち並ぶエリアでは18日、クマが近づかないように長く伸びた草などを刈り取る作業が進められた。

18日、秋田市雄和椿川の国際教養大学の学生寮近くで、地域のクマ被害防止を進める団体や秋田林業大学校の学生が、長く伸びた草や立ち木を刈り取った。

このエリアは周囲が木々に囲まれ、毎年近くでクマが目撃されている。草などが伸びた状態で見通しが悪いと、クマは身を隠すことができるため、私たちの活動するエリアに近づいてくる危険性が高まる。

クマと「ばったり出合うこと」を避けるためには、人とクマとの活動エリアを分ける「緩衝帯」を設けることが重要と言われている。

草木を刈り取った後は、かなり見通しが良くなった。

中央公園事務所・畠山勇人所長:
「このエリアの雑木や草を刈り払いして、クマが出てこないように緩衝帯を整備する目的で行った。すごく見晴らしが良くなってクマとの不幸な出合いはないと考える」

県自然保護課によると、この地域は、スポーツ施設や大学など私たちの生活圏とクマが生息する森林があるいわゆる「市街地周辺ゾーン」。こうしたエリアでは、クマが近づきにくい環境を整備することで、出没を防ぐことができるという。

このほか、国際教養大学の学生にクマの生態を知ってもらう取り組みが行われている。

中央公園事務所・畠山勇人所長:
「外国の人も来る。クマになじみのない人もいるので、去年初めて学生に向けて講習会を開催した」

なお県は、クマの出没や人身被害があった65地点を「出没抑制重点区域」と定め、緩衝帯の整備などを進める方針。

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