米盛病院、申請中の救命救急センター指定巡り県医療審に異議申立書「審議結果に基づく答申作成を」

 鹿児島市の米盛病院は18日、鹿児島県に申請中の救命救急センター指定を巡り、諮問機関である県医療審議会の池田琢哉会長宛てに、実際の審議結果に基づく答申を作成するよう異議申立書を提出したと発表した。提出は17日付。

 県知事選に絡み、県医師連盟が7日に開いた記者会見で、委員長を務める池田会長が示した審議会の答申案を問題視。「審議会の発言と異なる内容が記載されている」とし、「審議内容の客観的事実が正しく知事に伝わらなくなる」と訴える。

 同審議会は3月、米盛病院指定について諮問を受けたが賛否が割れ、知事判断に委ねることになった。現在、答申案は調整中。県によると、県医療審議会に対する異議申立制度はない。

■「速やかに対応する」県議会で塩田知事

 鹿児島県の塩田康一知事は18日の県議会最終本会議で、鹿児島市の米盛病院の救命救急センター指定について、審議会からの答申を受けて早急に指定を進める考えを明らかにした。諮問した県医療審議会の議論や県議会環境厚生委員会での意見を踏まえ、「速やかに対応していく」と述べた。

 同病院の指定を巡っては3月、県が同審議会に2回目の意見を求めたが、医療関係者を中心に反対意見が相次ぎ議論が紛糾。賛否併記とする答申案の調整が難航している。

 塩田知事は「医療審議会の答申は出ていないが、意見が集約されず、十分な議論もされたことから、知事に判断を委ねるとの結論に至ったと承知している。議会環境厚生委員会でも、早期に結論を出してほしいとの意見で一致した」と説明した。

 環境厚生委で「霧島や大隅などでも指定に向けて努力してほしい」との声があったことにも触れ、「意見を十分踏まえて、対応を検討していく」と述べた。

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