エルデンリングDLC『SHADOW OF THE ERDTREE』レビュー。美しくも恐ろしい、狭間の地の別側面(ネタバレなし)

エルデンリングDLC『SHADOW OF THE ERDTREE』レビュー。美しくも恐ろしい、狭間の地の別側面(ネタバレなし)

他の写真を見る

アクションRPG「ELDEN RING」のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」の配信がいよいよ21日に始まります。新たな冒険に備えて週末に休暇を取っている方もいることでしょう。

任天堂の次世代機Switch 2(仮)、新Joy-Conはボタン追加で電磁着脱式・現行とも互換?周辺機器メーカーが掲載

DLCでは新エリア「影の地」を舞台に、本編でも存在だけは明らかになっていた神人ミケラの足跡を追うストーリーを本筋として、新たな武器種やアイテム、ボスキャラクターやNPCを追加しています。

今回は発売直前レビューとして1週間程度のプレイ期間をいただきましたので、一通りプレイした所感をお伝えします。

ただし、広大なマップを隅々まで探索し、発見し、新たなボスと死闘を繰り広げるのも本作の楽しみですので、新要素についての深堀りは控えます。本作について気になっているが様子見している方、買ったはいいが放置してしまっている方にも少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。

(注意: 物語やキャラクターについて決定的なネタバレはありませんが、トレーラーや公式情報の範囲も含め、まったく予備知識なしで遊びたいかたはここで閉じてください)

6月4日に掲載した試遊イベントレポートでは、フロム・ソフトウェアが用意したキャラクターで新マップ「墓地平原」とダンジョン「塔の街、ベルラート」「エンシスの城砦」をプレイできました。

今回のレビューでは自分のアカウントにレビュー用バージョンのDLCを適用して遊ぶ形式になっており、自分で育てたキャラクターが使えたほか進行度制限もなく、自由に探索ができました。

■ マップ

体感ですが、マップの広さは本編でいうところの「リムグレイブ」と「ケイリッド」に「湖のリエーニエ」の一部を合わせたくらいの広さ。

マップの作り込みは健在で、地図上に何かが描写されていれば、そこには大抵何かがあります。本編でも、次にどこへ行けばいいのかわからなくなったときには地図を凝視して、描かれている建造物や地形を手がかりにしたこともあったので、ここが変わっていないのはありがたいところ。高台から遠くを望んで見つけた場所に、なんとかしてそこへ行けないかと崖のあたりをうろうろできます。

高台から遠くのランドマークを望む。高低差がありまっすぐには行けない
地図を見て何か描かれていれば大抵そこには何かある

■ダンジョン

DLCエリアのダンジョンも攻略のしごたえは十分。ジャンプが届きそうで微妙に届かない溝や細い足場の突然の切れ目、特にネームドというわけでもない強モブや地の利を活かした一方的な狙撃が行く手を阻みます。具体的な言及は避けますが、DLCエリアで新たに追加されたギミックも登場します。

構造的には本編とは少し趣が異なったものもあり、ダンジョン内でありながら霊馬に乗って移動できる(おそらくフィールド扱いになっている)など、本編とは違った工夫が凝らされている点が印象的でした。

進行ルートだけを見ていては気づかない脇道もあり、そのようなルートはその先でしっかり貴重なアイテムが入手できることも多く、探索のモチベーションが上がる作り。

一度クリアしたマップでも、後でもう一度探索に入ると見落としていたアイテムや知らないルートが見つかることも多々ありました。このあたりも本編と同様です。

「塔の街、ベルラート」。背後に塔のようなものも見えますが判然としません
「エンシスの城砦」。串刺し公メスメル配下の軍事拠点であり、犠牲者が晒されています
霊馬に乗って移動できる巨大な建造物
しっかり探索するとなにかとお得です

■敵

序盤から到達できる範囲でも新しい敵キャラクターとはかなりの数遭遇できます。初見のモーションやディレイを楽しみましょう。

筆者個人として印象的だったのは、やはりトレーラーや試遊レポートでも目立っていた「焼炉のゴーレム」でした。筆者は見晴らしの良い場所から景色を眺めるのが好きなのですが、遠くからでも存在感を放つ彼の威容は、風景から世界観を味わうにあたり良いアクセントになっています。まあそれはそれとしてアイテムは欲しいので倒してしまうのですが……。

ボスに関しては遭遇してのお楽しみなので割愛します。

「焼炉のゴーレム」は距離によって攻撃が変化。脚に攻撃が通らない個体も
ベルラートなどで戦える「角の戦士」。装備によってかなり動きが違います。画像は大曲剣の個体
メスメルの軍勢に所属する「黒騎士」。大槌や両刃剣、シールドバッシュなどを使って戦います

■アイテム

DLCでは100種類の武器が追加されたことが話題になりました。新規の武器種としては8種類が追加されていますが、個人的に使っていて楽しかったのは「投擲剣」です。

いわゆる手数武器であり、両手持ち(二刀流)した際の素早い二連撃と、敵の動きを憶えてテクニカルに立ち回るスタイリッシュさが気に入っています。後半はこれを冷気派生させて使っていました。

また、DLCでも一部の敵キャラクターが武器と各部位の防具を落とします。例によって特定の個体しか落とさないものもありますのでマラソンが捗るはずです。

新武器種の「投擲剣」。リーチはイメージより短いですが筆者的には使っていて楽しい武器です
DLCでも敵キャラのドロップ装備掘りができます。画像はメスメル配下「火の騎士」装備

■加護

新要素となる「影の地の加護」は、自分と霊体の攻撃力とカット率を引き上げるものです。効果範囲はDLCエリア限定ですが、言ってしまえば難易度を下げる要素であり不可逆なので(周回リセットがあるのかはわかりません)、周回を重ねて歯ごたえのある冒険が楽しみたい向きは強化を少し考えた方がいいかもしれません。

攻撃力とカット率が上がる「影樹の加護」。筆者もすべて集めてはいませんが、すべて集めるとおそらく加護なし時の倍近くなります

■ロケーション

影の地は本編に登場する「黄金樹」とは対象的な「影樹」のふもとに広がる別世界であり、本編とはまた異なる趣の美しい景色が広がっています。

ここであまり言及するのもどうかと思うので、ここからは各地で撮影したスクリーンショットと簡単な説明を掲載したいと思います。

影の地南端部に位置する「青海岸」。巨大な墓石や霊廟のようなものが点在しています
影の地には「鍛冶遺跡」と名のつくダンジョンがいくつかあり、ここでは強化アイテムと武器が入手できます
「ボニの牢獄」。大量の壺が吊り下げられています
「リアの指遺跡」。指のように見える巨岩が立ち並んでいます

「SHADOW OF THE ERDTREE」は有料の大型DLCであり、全体を見ればゲーム1本分くらいはあると思わせられる大ボリュームですが、メインのストーリーを順に追ってクリアするだけであれば、それほど重厚長大というわけでもありません(というかわりとすぐ終わる)。

進行には直接関係のないマップや地域が多くあるので、クリア後も探索/探検する余地がおおいにあります。というか筆者自身も、試遊で触ることのできたアイテムをまだすべて手に入れられていません……。

個人的には新たなロケーションと武器種の追加がうれしいところで、特に武器種の追加は、本作を遊ぶ醍醐味の1つでもあるビルドづくりに直接関係する部分なので、これから長い時間をかけて色々と試すのが楽しみでもあります。

フロムゲー名物のフレーバーテキストや"現場の状況"からストーリーや設定を読み解く楽しみもあります。21日のリリースまであとわずかですが、購入を迷っている方やプレイを躊躇している方は、ぜひこのタイミングで狭間の地に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

次のニンダイは6月18日23時、次世代機Switch 2(仮)は発表なし『Nintendo Direct 2024.6.18』

任天堂、Switch後継機種を正式に予告。発表は今期中、6月のダイレクトはSwitch 2(仮)情報なし

ファミコン名作でタイムアタック『Nintendo World Championships ファミコン世界大会』Switchで発売。種目は150以上

© TechnoEgde