【中国】コンビニ売上高、23年は11%増の4248億元[商業]

中国チェーンストア業界団体の中国連鎖経営協会(CCFA)と大手会計事務所KPMGが共同でまとめた報告によると、中国コンビニ業界の2023年の売上高は、前年比10.8%増の4,248億元(約9兆2,300億円)だった。伸び率は22年(9.8%)から拡大。新型コロナウイルス対策の終了もあり、来店客は小幅に増えたが、消費額の低下に伴い客単価は落ち込んだ。

調査はCCFAがコンビニ運営企業84社(石油系含む)を対象にアンケート形式で実施した。売上高は15年以降年17%以上のペースで増え、23年は15年(1,181億元)から3.6倍に膨らんだ。

23年の1日当たりの来店客数(店舗平均)は345.8人で、前年から0.6%増だった。一方で、客単価は21.5元となり、17.6%減少した。1店舗当たりの売上高(平均日販)は2.0%減の4,698元で、4年連続で減少した。直近年のピークだった19年(5,297元)からは11%以上減った。

オンライン業務を手がけるコンビニ企業は全体の89.3%を占めた。売上高に占めるオンライン販売の割合は6.4%で、22年(13.5%)から7.1ポイント縮小。新型コロナ禍が落ち着いたことで店舗販売が伸びた。

スナック菓子などの低価格商品を扱うディスカウント店が人気を集める中、コンビニ企業の約7割は「売上高への影響が大きい」と考えており、4割は自主ブランドの開発を強化する考えを示した。

■店舗数は1万店純増

国内のコンビニ店舗数は23年末時点で32万1,000店となり、前年末から7.0%増えた。ただ、伸び幅は20年(46.0%増)、21年(31.3%増)、22年(18.6%増)と年を追うごとに鈍化している。23年の純増数は9,834店で、22年から10.2%増えた。

23年の出店数は過去5年で2番目に多い1万4,373店。設置エリアは住宅街が全体の5割以上を占め、オフィス街が21.3%、特定商圏が13.8%など。

ブランド別で見た23年末の出店数は、広東省東莞市を地盤とする「美宜佳」が3万3,848店で最多。中国石油化工集団(シノペック)系のガソリンスタンド内で展開する「易捷(イージージョイ)」は2万8,633店、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)系ガソリンスタンド内店舗の「崑崙好客(uスマイル)」は1万9,780店と続いた。

外資系では「羅森」(ローソン)が6,330店(5位)、「セブン—イレブン」が3,906店(7位)、「全家」(ファミリーマート)は2,707店(11位)だった。

■競争激しく

KPMGは、「コンビニは規模の維持・拡大の激しい競争段階に入っている」と指摘。市民が消費に理性的になり、ディスカウント店が急増する中で、コンビニはコストパフォーマンスの高い自主ブランド商品の開発を進める必要があるとの見方を示した。

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