【台湾】受動デバイス生産額、3年ぶりにプラスへ[IT]

台湾経済部(経済産業省)統計処が17日発表した産業経済統計によると、台湾の受動デバイス業の2024年の生産額は前年を上回り、2年続いたマイナス成長を脱却する見通しだ。最終製品市場の需要回復に伴う在庫補充の動きの強まりが主な押し上げ要因とみられる。

台湾受動デバイス業の生産額は、21年に前年比25.7%増を記録したものの、その後はウクライナ戦争の勃発や世界的なインフレ、最終製品市場の需要低迷などで、22年は19.4%、23年は6.8%それぞれ減った。

四半期ベースでは22年第1四半期(1~3月)以降、マイナス成長が続いたが、23年第3四半期(7~9月)には人工知能(AI)や、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などの需要拡大や自動車の電動化加速を受け、前年同期比2.5%増に回復。6四半期ぶりにプラスに転じた。第4四半期(10~12月)は2.0%増、今年第1四半期は2.3%増と推移した。

■輸出額の減少幅は縮小

台湾受動デバイス業の今年1~5月の輸出額(再輸出分は含まず)は、前年同期比2.4%減の7億2,000万米ドル(約1,134億円)だった。依然としてマイナスが続いたが、減少幅は縮小傾向にある。

製品別の輸出額の比率を見ると、コンデンサー(キャパシター)が44.0%で最も大きく、レジスターが38.1%、インダクターが17.9%と続いた。

輸出先は中国・香港が全体の62.4%を占め、首位を維持したものの、近年のサプライチェーン(供給網)の中国離れを受け、17年比では7.9ポイント縮小した。一方で2位の米国は3.1ポイント上昇の9.7%、3位の東南アジア諸国連合(ASEAN)は2.7ポイント上昇の8.3%となった。

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