イスラエル、ヒズボラ対応「まもなく決定」 米は緊張緩和に特使派遣

[ベイルート/エルサレム 18日 ロイター] - イスラエルのカッツ外相は18日、レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラとの全面的な戦争に関する決定がまもなく下されると表明した。米国が中東の紛争拡大阻止に向け特使をレバノンに派遣する中、緊張が一段と高まっている。

レバノン南部国境沿いでイスラエルとヒズボラとの国境を越えた攻撃が拡大する中、ヒズボラがイスラエル第3の都市ハイファを攻撃する可能性を示唆したことを受け、米国はアモス・ホッホシュタイン特使をレバノンに派遣。緊張の緩和を働きかけている。

こうした中、カッツ外相は、ヒズボラ指導者ナスララ師がハイファの港湾施設への攻撃を示唆したことを受け、「ヒズボラとレバノンへの対応の法則を変える決断を下す時が近づいている」と表明。「全面戦争になればヒズボラは壊滅し、レバノンは大打撃を受ける」と述べた。

その上で、イスラエルは大きな代償を払うことになるが、団結しており、イスラエル北部の住民の安全を回復しなければならないと語った。

イスラエル軍はその後、「レバノンでの攻撃に向けた作戦計画が承認され、現地部隊の即応態勢を継続的に強化する決定が下された」と表明した。

これに対しヒズボラは、パレスチナ自治区ガザで停戦が実現するまで攻撃を続けるとしている。

ホッホシュタイン特使は、米国はイスラエルとヒズボラのより大規模な戦争を回避しようとしているとし、状況が「深刻」であるため、イスラエル訪問直後にレバノンに派遣されたと指摘。18日にはレバノン軍トップのほか、アマル運動を率いるナビ・ベリ議会議長と会談したという。

会談後、記者団に対し「ここ数週間、緊張が高まっている。バイデン大統領が望んでいるのは、より大規模な戦争への一段の激化を回避することだ」と語った。

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