悪路で転倒の高齢者救助 輪島高の岸野さん表彰

遠藤署長(左)から感謝状を受け取る岸野さん=輪島高

  ●「助けたい一心」

 歩道で転倒してけがをしている80代男性を救助したとして、輪島署は18日、輪島高3年の岸野望さん(17)に署長感謝状を贈った。同署によると、日没で辺りが暗くなる中、仮設住宅で暮らす男性は地震で被害が出た悪路に足を取られたとみられ、岸野さんは「助けたい一心だった。男性の親族に送り届けられて安心した」と振り返った。

 岸野さんは4月23日午後7時ごろ、部活動帰りで輪島市宅田町を歩いていたところ、うつぶせで歩道に倒れている男性を見つけた。「大丈夫ですか」と声を掛けて男性の顔を見ると口から出血し、1人で立つことができなかったという。

 岸野さんは男性に肩を貸して約600メートル離れた仮設住宅まで付き添い、親族に引き渡した。輪島署に行方不明届が出され、捜索しているところだった。

 輪島高で感謝状贈呈式が行われ、遠藤英之署長が「適切な判断と献身的な行動で尊い命が守られた」とたたえ、岸野さんは「当然のことをしただけです」と話した。

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