阪神・岡田監督 交流戦サヨナラ締めも怒り 度重なる走塁ミス「簡単やんか。行く勇気がないわけやろ」

 延長11回、サヨナラ勝ちにベンチで歓喜する岡田監督(中央奥)=撮影・北村雅宏

 「阪神2-1日本ハム」(18日、甲子園球場)

 今季2度目のサヨナラ勝ちは、相手のバッテリーエラーによるものだったが、7勝11敗と苦しんだ交流戦の最後を白星で締められたことが何よりも大きい。それでも阪神・岡田彰布監督(66)は相次ぐ走塁ミスに怒りを隠さず、単独2位浮上にも心の底からの笑顔が生まれることはなかった。

 幕切れは予期せぬ形で訪れた。1-1の延長十一回、1死から代打・豊田が中前打で出塁すると、続く森下の遊ゴロがイレギュラーし、水野の失策を誘った。その後、二、三塁となり、梅野の打席で矢沢がまさかの暴投。三走・植田が本塁を踏んだ。

 4月18日・巨人戦(甲子園)以来、今季2度目のサヨナラ勝ちで単独2位に浮上したが、試合後の岡田監督は喜ぶどころか怒りに震えていた。

 「ひどいなあ、しかし。ええ。こんなにミスするんやな。簡単やんか。行け言うたら終わりやんか。行くか行かんかやんか、走塁なんか。行く勇気がないわけやろ、結局は。コーチも行かす勇気がないんやろ。勝ったとか、そんなん何もないわ」

 岡田監督が指摘したのは度重なる走塁ミスだった。0-0の五回、1死満塁から指揮官は早々に勝負手を打った。5回無失点で87球しか投げていなかった村上に代えて、代打・原口を送った。原口は右翼ファウルグラウンドに飛球を打ち上げ、万波がフェンス際で捕球。だが、三走・森下はスタートを切れず、アウトが一つ増えただけだった。

 万波の強肩を警戒したのかと問われると「あの体勢で捕って投げれるか、ホームにストライク。何を考えてるんや、ほんま。グラブが伸びたような捕り方で。そんなもん、肩が強かったら全部ストップやんか」と語気を強めた。続く近本が中前適時打を放って、ようやく1点を先制したが、二走・梅野は三塁でストップ。この走塁にも「あんなん、完璧ミスやん。ツーアウト満塁でセンター前のゴロのヒットで、なんでようかえってけえへんの」と怒りは収まらなかった。

 村上に何とか勝ち星をつけようと、早めの仕掛けで試合を動かそうとしたが、選手が応えきれなかったことがどこまでも歯がゆそうだった。

 火曜日の連敗を「5」で止め、交流戦は7勝11敗で終わった。負け越しの数は昨年の「3」より一つ増えて「4」だった。「よくしのいだと思いますよ、はっきり言うて。今のチーム状態からいくとね」と総括した。「やっぱり点が取れない部分があるので、そのへんの修正ですね」。得点力不足という課題を抱えたまま、21日からリーグ戦再開を迎える。

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