【巨人】吉川尚輝「全66試合スタメン」の奮闘 阿部監督の起用法が〝最適解〟の見方

攻守で躍動する吉川尚輝

これが最適解か――。巨人・吉川尚輝内野手(29)が奮闘を続けている。今季は全66試合に二塁でスタメン出場。チームで全試合出場しているのは4番の岡本和との2人で、吉川の場合は途中交代も4月29日のヤクルト戦の1試合しかない。主砲をも上回り、チーム内で最も長くグラウンドに立ち続けている。

打撃も好調だ。吉川本人は「たまたまです」と謙遜するものの、規定打席以上で打率2割7分1厘はセ・リーグ9位。チームでは丸(2割9分1厘)に次ぐ2位の成績だ。加えて2度のサヨナラ打を放つなど勝負強さも兼ね備えている。

開幕当初こそ8番での起用だったが、4月末以降は主に3番を任されてきた。好調を維持できる一因について、古株の球団関係者は「阿部監督の尚輝の使い方が最適解と言える。レギュラーを確約して安心させるのが一番大事。もともと二塁での守備指標は群を抜いている。打撃の調子が少し落ちたら、すぐにスタメンを外していては本人が不安になってしまう」と分析。ちょっとやそっとのことでベンチスタートにさせない阿部監督の起用法こそが、吉川に心の安定をもたらしているという。

昨季まではスタメンを外れることも多く、2022年には11失策を犯すなど守備にも影響を及ぼしていた。だが、今季は広大な守備範囲を誇りながら、わずか2失策だ。

吉川といえば故障と隣り合わせで腰痛の持病を抱えるだけでなく、一塁へのヘッドスライディングや死球による骨折などで途中離脱を繰り返してきた。それだけに疲労を蓄積させないなどのケアは欠かせないが、このままチームの要としてシーズンを完走できるか見ものだ。

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