中国で旅行ブーム、中東が人気に―香港メディア

14日、環球時報は、中国で新型コロナ後の旅行ブームが起きており、特に中東地域が人気の観光地になっているとする香港メディアの報道を紹介した。写真はアラブ首長国連邦のドバイ。

2024年6月14日、環球時報は、中国で新型コロナ後の旅行ブームが起きており、特に中東地域が人気の観光地になっているとする香港メディアの報道を紹介した。

記事は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの12日付文章を引用。文章は中国のポストコロナ時代における海外旅行ブームの人気旅行先がアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、エジプト、カタール、モロッコ、イランといった中東地域になっているとした上で、中国の旅行予約プラットフォーム携程のデータでは今年1〜3月における中東地域の旅行予約数が前年同時期に比べて2倍以上になっており、UAEの観光機関によると昨年に同国を訪れた中国人観光客は120万人で、今年は大きく増える見込みだと伝えた。

その上で、中国人観光客の中東旅行ブームの背景には航空券価格とビザの簡素化があるとアナリストや業界関係者が見ていることを紹介。中国と中東地域を結ぶ航空便が続々再開したこと、中国が主導する「一帯一路」構想に基づく協力が深まり、新型コロナ前よりも多くの便が就航するようになったことで航空券価格が値下がりしたと伝え、エジプトやサウジアラビアの便は2019年から倍増し、今後も中国との直行便を増やす計画があるとした。

また、ビザについてはこれまで西側諸国のビザ手続きの煩雑さに対する不満の声が多く寄せられてきたのに対して、中東や北アフリカ諸国が積極的に中国人のノービザや現地ビザ発給制度を導入しており、利便性の高さから欧米ではなく中東への旅行を選ぶ中国人観光客が増えたと伝えている。

文章は、上海外国語大学中東研究所の范鴻達(ファン・ホンダー)教授が「中国と西側との関係が思わしくなく、一部の人が欧米ではなく中東に行こうと考える要因の一つになっている」と語るとともに、文化的な活力を持つ目新しい場所に興味を持つ中国人がますます増えていることも、ミステリアスで魅力に満ちた中東地域が旅行先の候補に上がる背景として存在するとの認識を示したことを紹介した。(翻訳・編集/川尻)

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