【阪神】日本ハム・新庄監督の動員力にア然 「平日ナイターで…」昨年との比較でも驚きのデータ

超満員の甲子園での采配となった日本ハム・新庄監督

阪神は18日の日本ハム戦(甲子園)で延長11回の末に2―1とサヨナラ勝ちし、2連勝。貯金2ながら首位・広島とのゲーム差を2・5と縮めた。7勝11敗と苦闘を強いられた交流戦は、これで終了。だが、最後に4万2601人と超満員に膨れ上がったスタンドの虎党たちへ勝利を届けたことは、せめてもの救いだ。その舞台裏では敵軍を率いる球団OB・新庄剛志監督(52)の絶大な人気とインパクトに古巣・阪神側があらためて舌を巻いていた。

ぎっしり埋まった客席は〝元・虎のプリンス〟の古巣への最後の置き土産だったのかもしれない――。この日のゲームは悪天候で中止となった5月28日の日本ハム戦(甲子園)の振り替えゲームとして開催された。

追加日程の発表は6月10日。入場券の発売開始は同12日と1週間にも満たない期間しかなかったにもかかわらず、17日には前売り券の完売を発表できたことに、球団関係者は驚きを隠せない。「やっぱり新庄の人気が大きかったのだろう」と北のビッグボスの存在感には舌を巻くばかりだ。

28年ぶりとなるリーグ制覇に昨季も大きく沸いた西の老舗人気球団だが、今回のケースと同様に、雨天中止試合の振り替え開催となった2023年6月5日のロッテ戦(甲子園)では、3万6780人を集めるのがやっとだった。それでも立派な数字であることは間違いないが、この日の日本ハム戦は今季最多となった今月6日の楽天戦(甲子園)の4万2625人とわずか24人差で〝超大入り〟となった。「去年だって3万6000人ちょっとしか入らなかったのに、平日火曜日のナイターで4万2000超えはすごすぎるやろ…」(前出の関係者)

注目された試合前のメンバー表交換では、目立ったパフォーマンスやハイタッチ等は行われなかったものの、それでも華のあるプレーで「暗黒時代」と呼ばれた1990年代の虎をまるであだ花のような過剰な存在感で彩った〝虎の背番号5〟は今も甲子園の人気者だ。試合前練習中には「新庄! 阪神でも監督やってや!」とファンから声をかけられる一幕すらあった。

「これで甲子園に来るのも最後になるかもしれないから…:」と今季限りでの退任すらにおわせる発言を口にしていた新庄監督が、もう一度甲子園に〝帰還〟するチャンスがあるとすれば、それは今秋に開催される日本シリーズの1つしかない。球団史上初となる連覇を狙う岡田阪神と、勝負の就任3年目で快進撃を続ける新庄ハムの頂上決戦――。これは決して夢物語などではなく、十分に実現可能なはずだ。

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