日本球界屈指の高速スライダーの使い手は誰だ?スライダー平均球速ランキング

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伊藤智仁や宣銅烈が浸透させた「高速スライダー」

大谷翔平が投手として登板していた昨季、話題になったのがスイーパー。横へ滑るように大きく曲がるスライダーの一種で、投手・大谷にとって大きな武器だった。

落ちるフォーク系や右投手が右に曲げるシュート系の変化球に比べるとスライダー系は投げやすく、日本球界でも使い手は多い。1990年代に伊藤智仁(現ヤクルト投手コーチ)や宣銅烈(元中日)らが「高速スライダー」という名を野球ファンに浸透させた。

では、2024年の12球団投手で高速スライダーを投げるのはどんな投手がいるだろうか。スライダーの平均球速TOP10ランキングは下の通りとなっている。

オスナ、ゲラ、マチャドがTOP3

平均143.8キロで栄えある1位に輝いたのはロベルト・オスナ(ソフトバンク)。ロッテから移籍して昨季26セーブを挙げた右腕は、今季もすでにパ・リーグトップの18セーブをマークしている。ストレートも平均153.1キロ、カットボールも同149.4キロと速く、チームの首位独走に貢献している。

2位は阪神の新助っ人ハビー・ゲラ。平均143.1キロのスライダー、同155.6キロのストレートを主武器に8セーブ12ホールドを挙げている。6月5日に登録抹消され、現在はファームで一軍復帰を目指している。

3位は平均142.9キロのアンドレス・マチャド(オリックス)。昨季まで所属したMLBナショナルズ時代の直近3年間で通算135試合登板の実績を持つ右腕は、来日1年目から25試合に登板して2勝7セーブ11ホールドをマークしている。ちなみにストレートのMAXは日本球界今季最速タイの162キロだ。

アブレイユ、マルティネス、ポンセもランクイン

4位も西武の新守護神アルバート・アブレイユ。スライダーは平均141.7キロを計測しており、平均155.4キロのストレート、同155.2キロのツーシームとともに大きな武器となっている。

5位はセ・リーグトップの20セーブを挙げているライデル・マルティネス(中日)。平均140.8キロのスライダーに同153.9キロのストレート、同144.4キロのフォークなどを武器に最後を締めている。

6位はコディ・ポンセ(楽天)が入った。昨季まで日本ハムで活躍し、2シーズンで通算7勝10敗。今季は10試合に登板して3勝4敗で、スライダーは平均140.1キロを計測している。

日本人最速は藤平尚真

ここまでは助っ人外国人が並んだが、日本人最速は藤平尚真(楽天)だ。12試合登板で5ホールドを挙げており、スライダーの投球数は少ないものの平均139.7キロ。5月9日に左内腹斜筋損傷で登録抹消されたが、復帰が待たれる。

8位はベテラン・澤村拓一(ロッテ)で平均138.7キロ。主武器は平均152.5キロのストレートと同148.1キロのフォークだが、スライダーも鋭い。今季は10ホールドを挙げており、健在ぶりを示している。

9位は平均138.7キロの今井達也(西武)。ストレートとスライダーで全体の8割以上を占めており、大きな武器となっている。今季はまだ3勝と白星に恵まれていないが、交流戦明けから成績を伸ばせるか。

10位はオリックスの長身右腕・山崎颯一郎。スライダーは平均138.6キロで、ストレートに次いで多く投げている。昨季は1勝9セーブ27ホールドを挙げて優勝に貢献したが、今季は登録と抹消を繰り返しており、状態が気掛かりだ。

11位以下には増田達至(西武)、リバン・モイネロ(ソフトバンク)、テイラー・ハーン(広島)、三嶋一輝(DeNA)らがランクイン。平均球速ランキングではどうしても外国人のリリーフ投手が多くなるが、日本人投手が投げる切れ味抜群の高速スライダーにも注目したい。

※成績は6月16日終了時点



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