【宝塚記念】ジャスティンパレスは消し、ソールオリエンスの復活に期待 ハイブリッド式消去法

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5つのデータから絞れた馬は?

まずは先週のマーメイドSの振り返りから。抽選突破ならピピオラから勝負するつもりだったが、残念ながらゲートインは叶わず。結局、本命にピンハイを抜てきし、エリカヴィータ、セントカメリア、ホールネスの3頭に流したが、本命馬が9着に敗れたため的中とはならなかった。

気持ちを切り替えて、今週は18年ぶりに京都開催となる宝塚記念を予想していきたい。過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を順番に消していく。登録馬13頭は最終的に何頭まで絞れるか。

『前走1800~2400m』×『前走4角7番手以下』★0.0%★

まずは前走距離に注目した。例年の阪神内回りから京都外回りに設定が変わるが、距離は2200mのまま。過去10年の前走距離を見ると、1800mから2400mのレースを走っていた馬が【4-5-1-58】(複勝率14.7%)と、やや苦戦していた。

このうち前走レースで4角を7番手以下で通過していた馬は17頭いたが、そろって宝塚記念では馬券圏外に消えていた。1つ目の消去データはこの組み合わせを採用する。

今年この条件に当てはまったのは以下の3頭。ルージュエヴァイユは前走の大阪杯で3着と牡馬相手に健闘したが、さらにメンバーが強化される今回は消去とする。

【今年の該当馬】
・プラダリア
・ヤマニンサンパ
・ルージュエヴァイユ

『社台系生産』×『前走時馬体重490kg以上』★3.6%★

2つ目は生産牧場別のデータを取り上げたい。ここではノーザンファームを筆頭とした社台系牧場の馬に注目する。

過去10年で【8-5-6-70】(複勝率21.3%)の好成績を収めているが、好走馬の多くが“大きすぎない”馬だった。前走時の馬体重が490kg以上に絞ると【0-1-0-27】(同3.6%)で、馬券に絡んだのは2022年2着のヒシイグアスだけだ。

ドウデュースは前走ドバイで馬体重の計量がなかったためセーフ。大阪杯でワンツーを決めたベラジオオペラとローシャムパークがこのデータに当てはまり、ここで脱落となった。

【今年の該当馬】
・ベラジオオペラ
・ローシャムパーク

『関西馬』×『キャリア26戦以上』★3.8%★

続いては地元・関西馬の粗探しをしてみたい。

意外にも関西馬の過去10年の成績は【6-5-10-95】(複勝率18.1%)で、関東馬の【4-4-0-24】(同25.0%)に見劣る。中でもキャリアが26戦以上のベテランは【0-0-1-25】(同3.8%)と凡走する確率が高い。馬券に絡んだのは、18年3着のノーブルマーズだけだった。

今年この条件に当てはまったのは以下の3頭。ディープボンドは京都で堅実な成績を残しているが、7歳を迎えてこの距離だと短いかもしれない。

【今年の該当馬】
・カラテ
・ディープボンド
・ヒートオンビート

『前走海外』×『前走外国人騎手→今回JRA所属騎手へ乗り替わり』★7.1%★

4つ目の条件は前走海外組。過去10年の成績は【3-2-1-20】(複勝率23.1%)と決して悪くない。

ただし、前走でJRAに所属しない外国人ジョッキーが手綱を取り、今回JRA所属騎手に乗り替わっていた馬は【0-0-1-13】(同7.1%)だった。

今年のメンバーの中で前走を海外で走っていたのはドウデュースとジャスティンパレスの2頭だけ。前者は武豊騎手が引き続き手綱を取るが、後者はJ.モレイラ騎手からJRA所属のC.ルメール騎手へ乗り替わり。ジャスティンパレスとはコンビ4戦4勝と好相性だが、オッズ妙味も考えて消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・ジャスティンパレス

『前走から乗り替わり』×『中3週以下』★8.7%★

4つの消去条件を終えて、13頭中9頭を消去した。最後は4つ目と同じく乗り替わりに関わるデータをピックアップしたい。

注目したのは鞍上の乗り替わりが発生し、かつ前走から中3週以下の間隔で臨んできた馬。過去10年でこの条件には23頭が当てはまったが、その成績は【1-1-0-21】(複勝率8.7%)だった。

今年はすでに消去済みのカラテに加えて、シュトルーヴェもこの条件に当てはまった。

目下3連勝中と勢いに乗るシュトルーヴェは、モレイラ騎手からD.レーン騎手への乗り替わりならマイナスイメージはない。ただ、ピンポイントで来日するレーン騎手が過去に1日しか騎乗経験がない京都競馬場でうまく立ち回れるかどうかは疑う余地があるだろう。過剰人気となりそうな点でも割り引きたい。

【今年の該当馬】
・(カラテ)
・シュトルーヴェ

5つの条件を終えて、消去を免れたのはソールオリエンス、ドウデュース、ブローザホーンの3頭となった。

この中から、敢えて昨年の皐月賞馬ソールオリエンスを本命に指名したい。というのも、週間の天気予報を見るとレース当日は道悪が濃厚。皐月賞で見せた強烈な末脚をここで発揮する可能性はゼロではないはずだ。馬券は同馬の単複に加えて、3頭のワイドボックスを押さえておきたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。



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