県内初となる民営の村立図書館や村史編集室、青少年センターの機能が集まった「読谷村総合情報センター(仮称)」の建設に向けた安全祈願祭が5月24日、読谷村役場隣の建設予定地で執り行われた。2025年10月に開館予定。施設内にはカフェなども併設する。周辺にはホームセンターやコンビニ、水浴びができる空間やイベントが催せるスペースを確保する。運営側が見込む年間利用者数は10万人。図書館利用者以外にも、多くの人が集まる場所を目指す。
読谷村総合情報センターは、建物面積3929平方メートル、敷地面積は1万5972平方メートルで1階建て。建物のおよそ半分が図書館、残り半分は村史編集室、青少年センター、行政文庫保管庫となる。
図書館スペースの前方中央にはカフェを配置。その隣には会話が可能な「賑(にぎ)わいゾーン」を配置した。学習する際に使う「集中ゾーン」、二つのスペースの間に「中間ゾーン」も設けて、来館者の目的に合った利用ができるようにする。子どもが自由に動ける空間も確保する。
開館時間は午前10時から午後10時までで、これまでより長く利用できる。慰霊の日以外は開館を予定する。読谷村民以外にも本の貸し出しを可能とする。
図書館運営全般は、事業整備計画のために複数の民間企業が合同で立ち上げた会社「黄金環(くがにかん)」(読谷村)が担い、企画の段階から携わってきた。代表企業にはシナジープラスグループ(同)が就き、その他にもNDアーキテクトン(同)、仲本工業(沖縄市)など地元企業が名を連ねた。全国にTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が黄金環から図書館の運営を任される。
黄金環の林拓司さんは「沖縄の人の好みに応じた要素を反映できた。地元企業が携われたのは大きい」と強調する。
民間運営の公立図書館という県内初の試みに、担当した村役場の渡嘉敷通史さんと仲村渠英之さんは「官民が意見を出し合った。幅広い人が集まり、長く愛される図書館ができるはずだ」と胸を張った。
(玉城文)