「すねの内側が痛い」運動部の新入生、この時期多い…スポーツ障害「シンスプリント」とは?

部活など、新年度から運動やトレーニングを始めたという人もいらっしゃると思いますが、毎年この時期スポーツを始めた人で、すねの内側部分に痛みを感じる人が多いというのです。
実はBSS山陰放送の小林キャスターにも、最近この症状が出ています。理由は何なのか、専門家に話を聞きました。

鳥取県北栄町にある鳥取中央育英高校。

授業が終わった放課後のグラウンドでは、陸上部の生徒たちが練習に励んでいます。

ほとんどの生徒がトレーニングを行う一方で、端から練習を眺めている部員が何人かいました。

陸上部の生徒
「足をけがしていて、痛くて抜けています」
「足のふくらはぎと骨の間ぐらいが痛いです。シンスプリント」

「シンスプリント」とは、脛骨の周りにある骨膜が炎症を起こすスポーツ障害のこと。運動時や運動後に、すね内側の中央からくるぶしにかけて、ズキズキとした痛みが生じます。

陸上部の顧問に話を聞くと、毎年春先からこの時期にかけて、シンスプリントになる生徒が多いと話します。

鳥取中央育英高校 陸上部 永代浩孝 顧問
「短距離系はこの時期、長距離選手については慢性的にシンスプリントで痛みを抱えている選手もいたりして、ちょっと悩んでいます」

ちなみに、小林キャスターも最近、シンスプリントのような症状が出ているとのこと。

小林健和キャスター
「マラソン大会に出場したいと思いまして、4月からランニングを定期的にやっているんですけど、左足のすね部分ですね。走り始めると、痛みがでてきてかなりしんどいです」

一体なぜこの時期に多いのか、専門家に話を聞いてみると…

山崎整形外科クリニック 山崎大輔 院長
「4月、学校に入学し、新しく部活を始めたりして、運動量がどうしても増えた時に起きやすくなります」

「シンスプリント」は、オーバーユース・いわゆる使いすぎ症候群のひとつで、走る・飛ぶなどの激しい運動を繰り返し行っていると発症しやすいといわれています。

中・長距離ランナーやサッカー、バスケットボール選手に多く見られ、特にシーズンの初めや、新人選手が急激にハードなトレーニングを始めた際に発生しやすくなるといいます。

小林キャスターもシンスプリントの症状なのでしょうか?

山崎整形外科クリニック 山崎大輔 院長
「そうですね、最近ランニングを始めて、すねの内側で痛みが出ているということであれば、シンスプリントの可能性が高いです」

それでは、シンスプリントにならないためにはどうしたら良いのか。そして、シンスプリントになってしまった時のケアはどうすれば良いのでしょうか?

山崎整形外科クリニック 山崎大輔 院長
「足首のヒラメ筋を伸ばすストレッチ。通常のアキレス腱のストレッチと違って膝を曲げた状態で足首を起こします。すねの内側についている筋肉を伸ばすストレッチになります」

このストレッチを、両足それぞれ30秒ほど日々行うのに加えて、運動の後に炎症を起こしている部分を氷を使って冷やす「アイシング」も、すでに出ている痛みを抑制する効果が期待できるとのこと。

そして…

山崎整形外科クリニック 山崎大輔 院長
「タオルを使い今度は土踏まずの筋肉。足底筋膜を強化する訓練になります」

タオルを足の指で手繰り寄せるような動きを、5分から10分程度、毎日継続して行うことも、シンスプリント予防とケアに有効だそうです。

山崎整形外科クリニック 山崎大輔 院長
「土踏まずがしっかりすれば、すねの内側にかかる負担も減るので、予防になると思います」

山崎医師によると、シンスプリントだからといってすぐに部活の練習をやめることはないそうですが、悪化させないためにも、日々の適切な運動量を部活の顧問などと一緒に考える必要があるということです。

山崎整形外科クリニック 山崎大輔 院長
「試合前とか大会前、部活を休みたくないというのはあるし、本番でしっかりしたパフォーマンスをするには、十分なケアをしながら本番に臨んでいただけたらいいのかなと思います」

また、シンスプリントと症状は似ていますが、同じような痛みで、足が「疲労骨折」している場合があるということで、このような際は安静にしておいたほうが良いとのこと。足の痛みや異変を感じたらまずは、整形外科などでの受診をしてほしいと注意を呼び掛けています。

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