就職氷河期世代が知らない?!カタカナ営業職、インサイドセールス含む3つを解説

営業職が就職氷河期時代から22年間で160万人減少した理由

深刻化している人手不足問題に対し、日本経済の活性化を図るための多方面での対策が検討されています。その一環として、就職氷河期世代への支援も重要視されています。

最近では、地方自治体でも対策が講じられるようになり、それらを通じてキャリアを見直す人も増えているのではないでしょうか。

就職氷河期から約20年の間に、消えた職種、新しく増えた職種、そして変化した職種があります。

今回は、就職氷河期から仕事内容が変化した営業職について、営業職の推移とともに、就職氷河期世代が知らない営業職3種を見ていきましょう。

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就職氷河期とは、そもそもいつなのか

就職氷河期は具体的にいつ頃を指すのでしょうか。

一般的には、バブル経済が崩壊した後の1993~2004年頃を指し、その10年近くの間に学校を卒業し就職をした世代が就職氷河期世代と呼ばれています。

厚生労働省「就職氷河期世代活躍支援」サイトには以下の記載があります。

1990年代〜2000年代の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代を就職氷河期世代と呼び、希望する就職ができず、

など、様々な課題に直面している方が多数います。

私も就職氷河期世代に該当しますが、業種にもよるとは思いますが、当時の新入社員の多くは、営業職に配属された傾向にあり、私の周りも多くの割合が営業職に着任していました。

就職氷河期にピークを迎えた営業職、この22年間で160万人減少した

では、当時、営業職はどのくらいの人数がいたのでしょうか。参考となる営業職の人数推移を見てみましょう。

総務省の「労働力調査年報」によると、営業職(販売従事者)人口は、就職氷河期真っ只中の2001年には968万人もいました。その水準がピークとなっています。一方、2023年は808万人と2001年と比較すると160万人も減少していることがわかります。

では、本当に営業職は160万人減少したのでしょうか。

実は、当時は存在していなかった営業職に代わる専門職が誕生していたのです。

就職氷河期世代が知らない営業職とは何か、3つの役割を解説

就職氷河期に営業職を経験した人にとって、営業職はどのような業務を行う仕事とイメージしているのでしょうか。

営業とは、以下の業務を一人の営業が一気通貫で行うものだと感じるのではないでしょうか。

従来の一気通貫型の営業プロセスとは

A 見込み客の創出

B 見込み客の獲得

C 見込み客へのアプローチ(育成)

D アポイント獲得

E 商談

F 成約

G 成約後サポート

それに対して現在の営業職は、就職氷河期に知られていたいわゆる「営業職」とは異なり、「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」の4つに分業化され、それぞれが専門的な役割を担うようになっています。

「マーケティング」は一般的な名称としてよく知られていると思います。一方で、「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」はいかがでしょうか。

今回は、後者の3つの営業プロセスとその仕事の中身を詳しく見ていきましょう。

就職氷河期世代が知らない営業職【その1】インサイドセールス

インサイドセールスとは、アポ獲得を目的とし、見込み客とコミュニケーションを図る職種です。非対面で行うのが一般的で、「内勤営業」とも呼ばれます。見込み客に対して課題やニーズがあるかヒアリングが重要となります。

一気通貫で実行していた従来の営業プロセスのうち、「C見込み客のアプローチ(育成)」、「Dアポイント獲得」を指します。

一方、会社により体制は異なりますが、「A見込み客の創出」「B見込み客の獲得」は、マーケティング部門が担当する傾向にあります。

就職氷河期世代が知らない営業職【その2】フィールドセールス

フィールドセールスとは、成約を目的とし、見込み客の課題やニーズに応える提案を行う職種です。対面で行い、外勤営業とも呼ばれます。信頼関係を構築し成約率を上げることが重要となります。

一気通貫で実行していた従来の営業プロセスのうち、「E商談」、「F契約」を指します。

就職氷河期世代が知らない営業職【その3】カスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、成約後も長期的な取引を持続することを目的とし、顧客のロイヤリティ向上を図る職種です。クレーム等に対応するカスタマーサポートとは異なり、顧客の成功のため、能動的に関わる点が特徴です。

一気通貫で実行していた従来の営業プロセスのうち、「G成約後サポート」を指します。

おわりに

就職氷河期世代の知らない3種類の営業職について見ていきました。

就職氷河期世代は、入社当時に向き不向きに関係なく営業職に配属されることもあり、営業職は二度と経験したくない、という人もいることでしょう。

しかし、現在の営業職は分業化され、専門職として評価されています。

営業職に苦手意識のある人でも、3つの業務に分けて考えることで、自分が得意だった業務を再発見できるのではないでしょうか。

就職氷河期世代は、一般的には「働き盛り」と言われ、社会人生活はまだまだ続きます。自身のキャリアについてここで向き合ってみてもいいかもしれません。今後も就職氷河期世代のためのキャリア構築について取り上げていきます。

参考資料

  • 総務省統計局「労働力調査」2000年~2008年
  • 総務省統計局「労働力調査」2009年度~

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