薬物使用疑惑の俳優ユ・アインに“睡眠麻酔”行った主治医が証言…「施術で必要と判断した」と主張

俳優ユ・アインに睡眠麻酔を行った主治医が、医師の裁量による合法的な施術だと主張した。

6月18日14時15分頃、ソウル中央地裁・刑事合議25-1部は、麻薬類管理に関する法律違反の容疑で起訴されたユ・アインと知人チェ氏の6回目の公判を行った。

同日13時55分頃、裁判を控えユ・アインが黒いスーツ姿で裁判所に出席した。髪を短く切りそろえたユ・アインは、落ち着いた表情ながらも、うつむきながら報道陣の質問に答えていた。

麻薬類管理法違反、大麻喫煙及び教唆、証拠隠滅教唆、医療法違反、詐欺などの容疑が持たれているユ・アインの裁判では、ユ・アインに医療用麻薬類を処方した主治医ファン氏が証人として出席した。

ファン氏は同日の裁判で、2020年3月19日に不眠症の相談を行ったユ・アインに対し、睡眠麻酔を行った理由に関する検察側の尋問に、「不眠症だけでなく、交感神経亢進治療を並行した。睡眠麻酔が必要かどうかは医師の裁量だ。痛みに対する感じる強度が人によって異なるが、痛みや不安感を調節してくれるのが麻酔痛症医学科だ。麻酔痛症と医師であるため、施術の際に麻酔が必要と判断して行った。“なぜよりによってこの人だけが麻酔をしたのか”ということは、常識的には理解できない」と述べた。

また、10秒で終わる注射でありながら、睡眠麻酔まで判断した理由については、「施術自体は10秒だが、終わってから起きる変化に耐え難いと感じることもある。血流が2~3倍速くなる施術であるため、場合によっては1時間程度の不快感(頭痛、鼻づまりなど)があり得る。それに耐えられない場合もあるので、麻酔が必要だと思った。針の挿入部位が首なので、普通の人も恐怖感を感じる部位だ」と説明した。

(写真提供=OSEN)ユ・アイン

これに先立って行われた第5回公判で、ユ・アイン側は大麻喫煙を認めた一方、そのほかの医療用麻薬類投薬はうつ病、パニック障害などによってさまざまな医療施術を受けたものであり、医師たちの専門的判断の下で行われたと主張した。

5回目の公判で証人として出席した別の医師オ氏は、ユ・アインがうつ病と不眠症を訴えていたと話した。

オ氏は2022年4月29日、ユ・アインの来院当時の状態について、「体重が非常に減っている状態だった。死亡衝動が増えた。特に“落ち着かない”、“不安だ”、“集中できない”」、“散漫だ”と言ってチャート表も作成した」とし、「そのような症状のため、不安をコントロールする薬を処方したと記憶している」と主張した。

ユ・アインは2020年9月から2022年3月まで、美容施術のための睡眠麻酔を装う方式などで181回にわたりプロポフォールなどを常習投薬した疑いが持たれている。

また、他人名義で44回にわたり睡眠薬スチールノックス錠、ザナックス錠など1100錠余りを違法に処方して購入した疑惑、他人に大麻喫煙を教唆した疑惑なども受けている。

◇ユ・アイン プロフィール

1986年10月6日生まれ。本名オム・ホンシク、韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名に。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、様々なドラマや映画で助演を務める。2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮し、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』『#生きている』などの話題作に出演。2023年2月、プロポフォール不正使用疑惑で捜査を受け、大麻の陽性反応が検出。同年10月、麻薬類管理に関する法律違反や証拠隠滅教唆、詐欺、医療法違反などの罪で在宅起訴された。

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