神戸発「1週間履いても臭わない靴下」そもそも“ニオイやすい靴”とは、足より大きめ・小さめどっち?

“1週間履いても臭わない”という靴下『Monsieur(ムッシュ)』

各地で雨が多くなり、ジメジメし出す梅雨時、しかも蒸し暑さが増し始めるこれからの悩みの一つに挙げられるのは、身体から発せられる臭(にお)い=体臭。特に、靴を履く時間が長いと、気になるのが、足もとの“ニオイ”です……。そんな悩みを解消しようと生み出され、近年注目を集めているのが、靴のまち・神戸市長田区の会社が製造・販売する“1週間履いても臭わない”という靴下です。えっ!? 1週間も履き続けるなんて、想像するだけでもゾッとしますが……。これを履くと本当にあのツーンとむせかえるような“ニオイ”からオサラバできるというのでしょうか? 商品の誕生秘話などを関係者に聞きました。

【写真3枚】なんかオシャレ! モデルが“1週間履いても臭わない”靴下をはいた様子

この気になる“1週間履いても臭わない”とは、神戸市長田区の「一般社団法人日本・和と調和Society」が2023年から販売している『Monsieur(ムッシュ)』です。

シンプルなデザインで、一見、普通の靴下に見えるものが、「1週間履いても臭わない」とのこと。なぜでしょうか。一般社団法人日本・和と調和Societyの理事長・堀野秀夫さんは、まず足が臭う理由を知る必要があるといいます。

「臭いの正体は菌が出すガスです。人間の体を構成するタンパク質の成分が菌にとってエサとなり、そのタンパク質成分を菌が消化することでガスが出て、臭いの元となります。特に靴の中は密閉され、雑菌が繁殖しやすい湿度と温度で、さらに足の皮膚の老廃物がふんだんに存在し、菌にとっては楽園です。靴屋としては靴の中の良くない環境は見過ごせず、この菌をどうにか抑えられないか方法を探ってきました」(堀野さん)

そこで見つけたのが「消臭糸」でした。

「使用している糸の素材は、臭いの元となるタンパク質成分に菌が消化する前に吸着するので、ガスの放出を防ぐことができます。実証試験でもその効果を確認したので使用を決めました」(堀野さん)

さらに使用者の生の声を聞こうと、研究段階で、実際に足を気にする傾向が強い現場仕事の人たちに、この靴下を「無理を言って」1週間以上履き続けてもらったそう。すると、「確かに足特有の臭いはしない」との声があって商品化。発売後、反響があり、今では1日最大100足程度、売れるとのことです。

堀野さんは「靴の世界に携わりながら、人の足に役に立っていきたい」と話します。

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“ニオイ”を抑える糸があったとは、驚きでした! ほかにも、臭い対策として、堀野さんは「そもそも臭いやすい靴というのもあるので気をつけてほしい」と注意を促します。

「大きめの靴はNGです。足と靴の間に起こる余計な摩擦熱で靴内の空気が温められたり、足にかかる負担から汗をかいたりすることで、靴内の環境が雑菌にとって繁殖しやすい環境になってしまうからです。歩いたときに足の裏がずれるような感じがする場合はおすすめしません」と、堀野さん。靴が大きいと感じる場合は「靴ひもを締める」「中敷きで調整」して隙間をなくすことが大事だと述べていました。

これからジメジメした季節が続きます。しっかり対策をして足もとの環境は快適に過ごしたいものです。

※ラジオ関西『Clip』2024年6月19日放送回「トコトン兵庫!」より

(取材・文=境祐貴)

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