県央7市町村でライドシェア 茨城県内初、7月導入

水戸市役所=同市中央1丁目

一般ドライバーが自家用車を使い有料で乗客を運ぶ「日本版ライドシェア」が7月上旬にも、茨城県水戸市など県央地域の7市町村で始まることが18日、分かった。県内での導入は初めて。国から許可を受け運行管理などを担うタクシー事業者が、公共交通が空白となる同地域の週末深夜、移動の足を確保する。

日本版ライドシェアは、タクシーが不足する地域や時間帯に限り、国が許可したタクシー事業者を実施主体に運行する。国土交通省が東京23区や京都府京都市、神奈川県横浜市、愛知県名古屋市など12区域を指定し、既に複数の地域で導入が開始。国は12区域以外でも事業者の意向があれば、導入を認めている。

茨城県内で導入が始まるのは、タクシー業務特別措置法で区分けされた県内5エリアのうち、「水戸県央交通圏」に当たる水戸▽笠間▽ひたちなか▽那珂▽茨城▽大洗▽東海-の7市町村。出発地か到着地が同交通圏内となることが運行の条件。時間帯は金曜日と土曜日の各午後4時から翌午前5時まで。

関東運輸局茨城運輸支局によると、タクシー事業者の「第一常陽タクシー」(水戸市渋井町)と「NK観光」(同市見川)の2社が17日付で事業実施の許可を受け、それぞれ1台の運行を管理することが決定。ほかに複数事業者から、許可申請を受け付けているという。許可を受けた事業者は今後、一般からドライバーを募集していく。

同交通圏では1月1日現在、39事業者が計696台の車両を営業運行している。同支局はこのうち5%に当たる35台が金・土曜深夜帯に不足していると推計しており、その半数に当たる計18台分を日本版ライドシェアの車両として事業者に割り当てる。

同支局は5月、同交通圏タクシー事業者を対象に日本版ライドシェアの意向を調査。複数の事業者が参入に意向を示したことから、同30日から事業実施の許可申請を受け付けている。担当者は「タクシーが不足する地域での交通を確保するのが目的。地域における移動の足を支える一助となれば」としている。

このほか同県内では、日立、常陸太田、稲敷、五霞の4市町5地区が、市町村やNPO法人が実施主体となる「自家用有償旅客運送」(自治体ライドシェア)を運行している。

つくば、土浦、牛久、下妻の4市も連携し、来年1月から自治体ライドシェアの実証実験に乗り出す方針だ。

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