マイクロストラテジー、「MicroStrategy AI」にボット機能や説明機能などを追加

by 三柳 英樹

米MicroStrategy(以下、マイクロストラテジー)は現地時間4月30日、「MicroStrategy AI」の機能強化として「MicroStrategy Autoボット」を発表した。このAIを活用した機能強化により、データの信頼性とデータアクセスに課題を持つ企業において、企業全体で一貫したデータを基にした分析が可能になるとしている。

MicroStrategy AIは、2023年に発表された生成AI機能を搭載するBIプラットフォームで、AIによる説明機能の強化、自動化されたワークフロー、その他顧客の利便性、信頼性、柔軟性を高めるために設計された機能が含まれる。

マイクロストラテジーでは、マイクロストラテジーのAI機能、カスタムAutoボットの構築、AIを活用したダッシュボードの作成などを、無料で試用できる30日間のトライアル「MicroStrategy Auto Express」の提供を開始した。このセルフサービス環境には、マイクロストラテジーのAI/BIプラットフォームの利点について理解できるさまざまなサンプルテストデータやガイダンスが含まれ、自身のデータセットをアップロードし、カスタムAutoボットとダッシュボードを社内で共有できる。

また、MicroStrategy AIの最新リリースでは、AIの説明機能を強化。ユーザーの自然言語による質問をどのように解釈したかを、テキストとビジュアルの両方で説明する。これにより、AIがなぜこの回答を導いたのかが分からないという「ブラックボックス問題」を、回答により多くの文脈を加えることでその根拠を明示し、ユーザーが素早く信頼できる回答を得られるよう支援する。

データインサイトがトリガーとなる自動ワークフローについても強化し、ユーザーは「MicroStrategy ONEダッシュボード」または自動拡張アプリケーション内で自動ワークフローをトリガーすることで、アクションへのスピードを加速できる。Pythonを用いたトランザクション処理をすると、ユーザーは複数のシステムに接続して、Salesforceの見込み客の案件情報の更新や、Marketo上のメールキャンペーントリガー、Workday上での顧客接待費の承認といった活動をタイムリーに行える。

企業独自の用語への対応も強化。「顧客」「従業員」「利益」「在庫」といった標準的なビジネスデータに関する質問に回答するが、企業内において、「顧客」「従業員」といった名称は企業内独自の用語や略語を使用することが多く、LLM、データベース、または公式な用語として知られていないと説明。最新リリースでは、ユーザーがこれらの用語を共通言語として登録し、セマンティックグラフの新しい知的資産を充実させられるようになり、MicroStrategy AIがフリーフォームのユーザークエリを、特定のビジネス文脈内で正しく解釈できるとしている。

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