ロッテ・大下誠一郎「居残りは毎日やっている」、「1日1日の積み重ね」全体練習後に黙々と打ち込み

カーン、カーン、カーン。

打球音がZOZOマリンスタジアムの室内練習場に響き渡る。18日に行われた一軍の全体練習が終わった後、室内練習場で一人マシンを相手に黙々と打っていたのは、試合中はベンチで大きな声でチームを鼓舞するロッテ・大下誠一郎だ。

マシンでは「ちょっと間を取るために。間がなくなると前に突っ込んじゃったりするので、しっかり間をとって強い打球を」と緩いボールをひたすら打った。時折、フォームを確認する場面もあったが、それもしっかり間をとれているかのチェックだ。

大下といえば、左足を大きく上げて打つが、全体練習後に行っていたマシン相手の打撃練習では左足を上げずに打っていた。

その意図について、大下は「僕の場合、(左足を)上げすぎて前に突っ込んじゃうところがあるので、ちょっと動きを小さくしてコンタクト意識でやっていこうかなと思ってたんですけど、シーズン入ってきたら毎日違う打ち方になっちゃう。それを修正するためにしっかり練習していました」と説明。

振り返れば、大下は常に居残って打撃練習しているイメージだ。「このキャンプは数を振ろうと思っていたので、数多く振っています」と石垣島春季キャンプでは愛斗、松川虎生とともに全体練習後に室内練習場で長い時間、マシンを相手に打っていた。開幕直前のZOZOマリンスタジアム(室内練習場)での練習後も室内練習場で一人バットを振っている姿があった。シーズンが始まってからも「振る量は変わらずしっかり振っていますし、居残りは毎日やっているので1日1日の積み重ねかなと思ってやっています」と変わらずバットを振る。

一軍の舞台で結果を残すためにバットを振っているが、今季ここまで一軍で立った打席数は13と少ない。なかなか出場機会が訪れない中で、試合中はチームの勝利のため、大きな声を出してチームを盛り上げる。

「試合も出たいし、打席も入りたいし、守備も守りたい。でも決めるのは僕らじゃない。いつ行ってもいいような準備をしていますけど、出たい気持ちもあるし、出て活躍したい気持ちは常に思ってやっています。そればっかりは僕が行きたい時に行ける世界じゃないので、いつ行ってもいいような準備はしています」。

最後に今後、どんな活躍でチームの勝利に貢献していきたいか訊くと、「まずはチームが勝つことが一番だし、リーグ優勝してみんなでCS出て勝って日本一になるのが僕らの目標。一戦一戦ここから苦しい戦いになるとは思うんですけど、全部勝つつもりでやっていきたいと思います」。大下はチームの勝利に貢献するため、そして与えられた場面で最高の仕事をするため、今日もバットを振る。

取材・文=岩下雄太

© 株式会社シーソーゲーム