農福連携で作った水ギョーザ販売 熊本市のNPO法人・熊本福祉会「社会参加、食べて応援して」

農福連携で作った水ギョーザをPRする熊本福祉会の奥野靖夫理事長(中央)ら=8日、宇土市

 就農を通して障害者らの自立を後押しする「農福連携」に取り組むNPO法人「熊本福祉会」(熊本市西区)は、就労支援事業所利用者らが野菜の生産から加工までを手がけた水ギョーザの販売を始めた。理事長の奥野靖夫さん(44)は「利用者の社会参加を、食べて応援してほしい」と呼びかけている。

 農福連携は、担い手不足が深刻な農業と、継続的な就労機会の確保を求める福祉事業所の双方に利点があり、注目を集めている。

 同会では精神や身体に障害がある利用者ら約30人が、市内にある計約2ヘクタールの畑でキャベツやニンジンの生産に従事。ギョーザの加工では、10人が皮からあんまで全て手作りしている。

 同会の水ギョーザ作りは、フリーアナウンサー本橋馨さん(61)、中央区の中華料理店「釜聖」が監修。もっちりとした皮の食感と、たっぷりの肉汁が特長の商品に仕上がった。

 今後は、熊本県内の社会福祉法人などでつくる「県農福連携協議会」の事業として、スーパーや物産館での販売も計画する。奥野さんは「地域共生社会や『農福食連携』のモデル事業となるよう、県内各地に取り組みの輪を広げていきたい」と意気込んでいる。

 10個入り680円。熊本福祉会と道の駅宇土マリーナおこしき館(宇土市)で購入できる。(米本充宏)

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