大分県、3年ぶりにヤングケアラー実態調査へ 小5から高3の全児童・生徒対象【大分県】

ヤングケアラー実態調査などについて説明する佐藤樹一郎知事=18日、県庁

 大人に代わって家事や家族の世話を日常的に担う「ヤングケアラー」の支援に力を入れるため、県は3年ぶりの実態調査を今月下旬から始める。小学5年から高校3年の全児童・生徒(約7万8千人)に困り事などを聞く。独自に調査した4市と情報の共有・分析などで連携し、結果を施策に反映する。子どもの生活実態調査も同時に実施する。佐藤樹一郎知事が18日の定例会見で明らかにした。

 ヤングケアラーの調査は、児童・生徒に1人1台配っているタブレット端末を使う。学校や自宅で専用サイトを開き、無記名で回答してもらう。

 子どもたちや調査主体の負担軽減を目的に、設問数は前回2021年度の最大79問から半分の40問に減らす。生活実態調査と重複する質問は統一し、大部分を選択式にして心理的なハードルを下げる。回答率を前回の約70%より引き上げたい考え。

 類似の調査は大分、別府、臼杵、豊後大野の各市が昨年度、いずれも初めて実施した。県と各市の調査結果を照らし合わせて分析することで現状をより詳しく把握し、効果的な支援につなげる。

 生活実態調査は19年度以来5年ぶり。小学5年と中学2年を対象に、生活・学習習慣や自己肯定感などを把握する。その保護者(約2万人)にも就労状況や世帯収入をスマートフォンで答えてもらう。「おおいたこども・子育て応援プラン」の改定に役立てる。

 子どもに適切な支援ができるように、両調査は福祉保健部と県教育委員会が共同で取り組む。期間は夏休み前まで。結果は秋ごろ、概要を公表する予定。

 佐藤知事は「新型コロナウイルス禍を経て、子どもを取り巻く環境はさまざま変化している。対策強化の判断材料にする」と述べた。

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