稲見萌寧にまさかのトラブル ドライバーヘッドが“盗難”「同じヘッドはないので…」

稲見萌寧にまさかのトラブル(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇18日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

「全米女子オープン」後の2週間はオープンウィークにして日本で調整し、渡米してきた稲見萌寧にまさかの“トラブル”が発生だ。「シャフトとヘッドカバーだけ入っていて、ヘッドだけきれいに盗られていました」。日本からの直行便で飛び、現地入りしてクラブを入れたトラベルバッグを開けたら、ドライバーのヘッドが盗まれていることに気がついた。

航空会社に問い合わせをしたが、いまだに行方不明のまま。新しいヘッドを取り寄せるしかなかった。17日にアウト9ホールを回ったものの、ドライバーがないため、代わりに3番ウッドを使用しながらコースを確認。開幕2日前の18日にやっと代替品が届き、いまは急ピッチで調整を進めている。

1月からずっと使用してきた“エース”だった。微妙な個体差もあるため、「なかなか同じヘッドというのはないので、しょうがない。スイングを調整しているので、スイングなのかクラブなのか、状態がちょっと分からない」。手にした代替ヘッドは1つしかないため、それでなんとか、しっくりくる方法を探るしかない。プロアマに入っていなかったこの日は、練習場で自ら”カチャカチャ”を手にして、微調整を繰り返していた。

4月「JMイーグル・LA選手権」から4試合連続で予選落ちを喫し、帰国中には左にいくミスの原因を突き止めながら、新たな体の動かし方にトライしている。「調整というか挑戦。また新しくやり始めて、体の使い方も逆。試合でできる、できないを繰り返して良くなると思う。時間はまだ必要だけど、リハビリ的な感じで」。求める方向性は見えてきた。あとは試合での再現性と、結果を求めていく。

開幕まであと1日。盗難に憤りと疑問を感じながらも、冷静に対処していくしかない。あす19日に初めてコースにドライバーを持ち込み、最終調整を進めていく。(文・笠井あかり)

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