中村角 増収増益で着地 中村社長「小口取引を大事に」

中村角(広島市)の24年3月期は売上高が前年比103.3%の321億5千100万円、経常利益が110.4%の3億円。業務用食品の回復と、値上げによる単価上昇で増収増益となった。

グループ各社の業績は、協食(山口県山陽小野田市)が売上高24億2千400万円(前年比102%)、経常利益6千900万円(123.7%)、桑宗(広島県福山市)が売上高56億1千300万円(118.2%)、経常利益1億1千500万円(172.3%)、カクサン食品(広島市)が売上高14億9千700万円(92.9%)、経常利益6千400万円(99.8%)。

業務用卸の協食と桑宗は中村角と同様の要因で増収増益。牡蠣エキスなどの調味料を製造するカクサン食品は、原料高や経費増により値上げした影響もあり販売数量が減少した。

なお、カクサン食品は5月29日付で中村哲朗社長が代表取締役会長に、中村通孝専務が代表取締役社長に就任した。

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中村角の中村一朗社長は6日、メーカー88社、167人が参集した角親会で今期方針について次の通り話した。

すでに始まった今期も物価上昇の影響が続いており、消費者やユーザーの生活防衛意識が高まる中、経営環境は厳しさを増している。予想していたことだが、得意先からの原価低減の要請や見積もり合わせの案件が増え、難しい判断を迫られている。これまで以上に、売上拡大のための対策に力を入れなければならない。

昨年4月にJFSA(日本外食流通サービス協会)の会長に就任して1年が経ち、共販目標を達成し、ほっとしている。業務用は小口の取引を増やしたい。以前は効率優先の商売をしていたが、小口の取引が大事なことをJFSAで学んだ。受発注のデジタル化や物流の機械化にも取り組む。

家庭用は地域卸としての品揃えに注力し、提案営業で得意先から必要とされる卸であり続ける。取引先から安心して商売を続けられると思われるよう、引き続き努力する。

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