手術支援ロボット「ダビンチ」、アジア太平洋最大の拠点が上海で稼働

手術支援ロボット「ダビンチ」、アジア太平洋最大の拠点が上海で稼働

12日、気管支鏡ナビゲーションシステムの操作の実演。(上海=新華社記者/龔雯)

 【新華社上海6月19日】手術支援ロボット世界大手の米インテュイティブ・サージカルのアジア太平洋地域最大となる研究開発、生産、研修の一体型拠点が12日、中国上海市で稼働した。第一段階として、同社開発の手術支援ロボット「ダビンチ」や気管支鏡ナビゲーションシステムの関連部品を生産する。

 同拠点は、インテュイティブ社と中国医薬品大手の上海復星医薬(集団)の合弁会社として、2017年に設立された直観複星医療機械技術(上海)の本部産業拠点となる。投資総額は約7億元(1元=約22円)で、22年に着工した。研究開発棟、生産棟、研修棟からなり、「ダビンチ」を完備した手術室の面積は550平方メートルを超え、「ダビンチ」10台を使った手術の研修を同時に行うことができる。

手術支援ロボット「ダビンチ」、アジア太平洋最大の拠点が上海で稼働

12日、手術支援ロボット「ダビンチ」を体験する記者。(上海=新華社記者/龔雯)

 手術支援ロボットは、ロボット産業において「最も価値のある業績」とされ、外科技術の重要な方向性でもある。インテュイティブ社の社長も兼務する直観複星のデビット・ローザ董事長は、「中国の医師は低侵襲手術で世界をリードしている。ここ数年、中国市場での『ダビンチ』の使用率は増加傾向にある」と紹介。本部拠点の設立は、インテュイティブ社が中国で投資、事業展開するというコミットメントの表れだとした。その上で、同拠点が今後、本土医療機関との提携を拡大する方針とし、高品質で革新的なソリューションを通じ、より多くの臨床分野での需要に応えたいと述べた。

 「ダビンチ」は06年に中国市場に進出して以降、300数カ所以上の病院で400台以上導入され、54万人を超える患者に利用された。

 直観復星の潘小峰(はん・しょうほう)最高経営責任者(CEO)は、「ダビンチ」の部品組み立てから生産まで、国産化率が上昇しつつあるとし、生産能力の拡大により、中国市場の需要に対応するほか、周辺市場にも幅広く進出する意向だと語った。(記者/龔雯、狄春)

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