し烈な五輪争いは「この3年くらい積み重ねてきたもの」 畑岡奈紗は“メジャー制覇”に照準

畑岡奈紗は五輪切符を手にすることはできるか(撮影:南しずか)

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 事前情報◇18日◇サハリーCC(米ワシントン州)◇6731ヤード・パー72>

先週をスキップした畑岡奈紗は、日曜日に現地に入ると、17日、プロアマがあった18日にそれぞれ18ホールをプレーしながら、念入りにコースの情報を集めている。「木が高くなければ、フェアウェイ自体は狭いというわけではないと思う。見た目で狭く感じるところもある」。高い木が両サイドを囲む林間コースでは、ティショットが肝心になる。

そのうえで「右のミスがダメなところが多いかもしれない」と分析。狙いどころは難しいが、フェアウェイバンカーは“許容範囲”になるとも感じている。「アゴが高くないし、バンカーのフチのところが硬くなっているので、フチで止まるよりは真ん中まで戻ってきてくれる」。そう考えると、気持ち的にも広くマネジメントができそうだ。

2週間前の「ショップライトLPGAクラシック」では、ボール捜索時間の超過による誤所からのプレーで失格になった。先週は当初の予定通り、調整に充てて乗り込んできた。まさかの出来事から“奮起”の初戦。「ショットはなかなかうまくいっていない。出球だけに集中したい」と好調とは言い難いが、残り1日で調整を進めていくしかない。

とはいえ、グリーン上では引き続き、好感触を示している。ショップライトではスコッティキャメロンのダブルベント『ファントムX11』に、右手を下にする順手を組み合わせたが、これをシアトルでも続けている。「左の首を痛めてから、クロスハンドにすると肩が被ったり、アドレスでごちゃごちゃ考えちゃうことがあった。そこはだいぶ無くなった」。構えたら距離感のみを意識してスムーズに振れるようになり、この“大イメチェン”の効果にうなずく。

今大会終了後の世界ランキングに基づき、パリ五輪の代表選手が確定する。畑岡は現在ランキング21位につけており、20位の古江彩佳、22位の山下美夢有とのし烈な“2番手争い”も決着を迎える。

「せっかくメジャーに来ているのに、オリンピックのことを意識してやっても…とは思う。この試合だけで決まるわけでもないし、この3年くらい積み重ねてきたもの。KPMGにしっかり集中してできれば」。まずは、悲願のメジャー初制覇に照準を当てて、気合を込めた。(文・笠井あかり)

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