米半導体エヌビディア、時価総額で世界1位に マイクロソフト抜く

米半導体大手エヌビディアは18日、時価総額で世界1位となった。同社株価はこの日、3.5%上昇して136ドルと過去最高値を記録。時価総額が3兆3400億ドル(約527兆円)となり、米マイクロソフト(MS)を抜いた。ただし、急速な株価急騰に慎重な見方も出ている。

エヌビディアは今月初めに米アップルを抜き、世界2位となったばかりだった。

エヌビディアは、人工知能(AI)ソフトウエアに必要な半導体(チップ)を製造している。ここ数年で需要が高まり、売上高と利益を押し上げた。

エヌビディアの時価総額はこの日、年初からほぼ2倍に達した。8年前の時価総額は、現在の1%未満だった。

AI開発者間の競争は激化している。MS、グーグルを傘下に置くアルファベット、メタ、アップルといった大手が、世界一の製品を生み出すためにしのぎを削っている。

こうした競争が、AIチップ市場の大部分を独占するエヌビディアに有利に働いている。

そのため多くの投資家は、同社が今後も収益を伸ばし得ると予想している。同社の売上高と利益は近年、多くのアナリストの予想を上回っている。

投資会社キルター・シェヴィオットのテクノロジーアナリスト、ベン・バリンジャー氏は5月、エヌビディアの最新の決算発表後、「同社は再び、非常に高いハードルをクリアした」と述べた。「需要が失速する兆候も見られない」とも付け加えた。

しかし、慎重な見方をする少数派もいる。

バークレイズのクレジットアナリスト、サンディープ・グプタ氏は2月、ライバル企業の増加を踏まえると、エヌビディアが市場シェアを維持するのは難しいと指摘。また、同社の顧客がAIソフトウェアをどのように収益化するつもりなのかがまだ不明だと述べた。

(英語記事 Nvidia becomes world's most valuable company

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