ドジャース山本由伸の負傷に「災難」と韓国紙…「佐々木朗希にとっても“悪材料”」と伝えたワケ

米メジャーリーグ(MLB)と日本プロ野球(NPB)とでは、明確な違いがあるのだろうか。日本で最高のエースとして君臨したはずの山本由伸(25、ロサンゼルス・ドジャース)が、MLBでデビュー数カ月も経たないうちに負傷した。

注目を集めるのは「耐久性」だ。これはMLB進出を目指す佐々木朗希(22、千葉ロッテマリーンズ)にとっても悪材料と言える。

山本は今季MLBで14試合に登板、74回を投げて6勝2敗、84奪三振、防御率2.92を記録している。

3月に行われたサンディエゴ・パドレスとのソウルシリーズでは、1回を投げて4被安打、2奪三振、5失点の防御率45.00とMLBの洗礼を浴びた。それでも、アメリカ本土に戻ってからは、エースの威容を誇っていた。

そもそも山本は、12年3億2500万ドル(日本円=約465億円)というMLB投手史上最高額でドジャースと契約した選手だ。ネームバリューはもちろんのこと、大金を出すだけの価値があると見られていた。

ただ、問題は“体調”だ。

佐々木朗希も「“ガラスの体”であれば…」

山本は6月16日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で先発登板するも、2回無失点を記録して緊急降板した。当時は右腕の筋肉の張りが理由とされたが、精密検査の結果、右肩腱板損傷と診断された。

ドジャース率いるデーブ・ロバーツ監督は山本について「数週間は投げない」と説明した。もっとも、負傷はそれほど深刻なものではないようだ。

日本では6人で先発ローテーションを回した。登板間隔は広く、週1回の登板と考えれば良かった。

ただ、MLBでは先発5人体制で、中4日で次の登板に臨む。日本とは環境がまったく異なる。このため、ドジャースは追加の休息日を与えるなど、山本に時間を与えていた。

(写真提供=AP/アフロ)山本由伸

ところが、怪我をした。シーズンアウトまでとはいかないだろうが、数週間はマウンドを空けることになる。ドジャースとしてももどかしい部分だ。どんなエースであれ、負傷してしまえばも戦力として計算できなくなる。

今回の一件は、今後MLB挑戦を目指す投手にとっても悪材料だ。その最も近い位置にいる投手が、千葉ロッテの佐々木だ。

今季終了後、千葉ロッテは佐々木のポスティングによるMLB移籍を許可するという見通しが出ている。

だが、佐々木は千葉ロッテでもフル稼働をできずにいる。最近も右腕のコンディション不良により1軍登録抹消が発表された。日本での1シーズン最多投球回は129.1回に過ぎない。

彼が投げるボールは“爆発的”だ。最速165kmの剛速球を投げる。それだけでもMLBへの関心は高いし、選手自身も望んでいる。しかし、“ガラスの体”であれば意味がない。

佐々木朗希

何より、日本で“鋼鉄の耐久性”を誇った山本が、ドジャースと12年契約を結んだ初年度にデビュー4カ月で負傷した状況だ。怪我の具合が良くなければ、ドジャースにとっても“災難”だ。

自然と、佐々木に対する疑問も大きくなるしかない。となれば、山本級の契約は難しくならざるを得ない。

安定したコンディションで「健康だ」という確信を与えられなければ、MLBの舞台を戦い抜くことは難しい。

© 株式会社ピッチコミュニケーションズ