『ジョンソン』1年もたず打ち切りの一部始終 濱家の怒り・総合演出更迭・迷走キス企画…バッサリ終了の真相

※画像は『ジョンソン』の公式サイトより

TBSのバラエティ番組『ジョンソン』(月曜午後9時)が9月末で終了することが明らかになった。

『ジョンソン』はかつてダウンタウンの松本人志(60)と浜田雅功(61)がMCを務めた『リンカーン』の後継番組として2023年10月にスタート。

かまいたちの山内健司(43)と濱家隆一(40)、見取り図の盛山晋太郎(38)とリリー(40)、ニューヨークの嶋佐和也(38)と屋敷裕政(38)、モグライダーの芝大輔(40)とともしげ(42)と、次世代を担う4組8人の芸人がレギュラーメンバーを務めているが、わずか1年で幕引きすることとなった。

6月19日朝、番組終了を報じたスポーツニッポンによると、関係者は視聴率の低迷だと説明。初回2時間SPの世帯視聴率は4.8%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、個人視聴率2.8%という厳しいスタートを切り、以降は世帯3%台を推移。2%を割ることもあった。

ここ最近は放送頻度も減っており、同枠では特番『巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会』や『クレイジージャーニー』の2時間SPなどを放送。6月もここまで放送はなく、6月24日も『クレイジージャーニー』の2時間SPが予定されていて、番組HPを見ても次回の放送予定はない。

「わずか1年での打ち切りといいますが、ほぼ放送がなくなっているわけで、実質は1年もってない。そして、番組はスタート前から大紛糾していたんですよね……。

まず、制作の現場ではそもそもモグライダーではなく、さらば青春の光をレギュラーメンバーに起用するように推していたといいます。さらばは今、勢いに乗りまくっているし、森田哲矢さん(42)と東ブクロさん(38)はかまいたち、見取り図、ニューヨークとはプライベートでも親交がありますから、彼らが絡むことで『ジョンソン』でも想定外の爆発的な笑い、“化学反応”をもたらしてくれるのではないかと現場は期待していたんです。

ところが、最初に『ジョンソン』の総合演出を担当したのがまだ若手で慣れていないA氏で、実績や経験がない彼は上司の意向をうかがっていた。結果、さらば青春の光ではなくモグライダーが起用されることになったといいます。

TBSのバラエティ上層部には、モグライダーと同じ事務所に所属するウッチャンナンチャンとの関係性をより太くしたい、という狙いがあったといい、個人事務所であるさらば青春の光ではなくモグライダーが起用されることになったと聞こえてきています」(民放キー局関係者)

結果的に『ジョンソン』にはかまいたち、見取り図、モグライダー、ニューヨークの4組が集結。現場の第一希望とはずれたのだろうが、それでも人気の中堅コンビ4組で満を持してスタートした初回2時間SPでは『リンカーン』の看板企画「芸人大運動会」を放送した。

「しかし、数字はまったく振るわなかった。視聴者からも《やっていることは(『リンカーン』の)大運動会で一緒だが出演者が違うだけでこうも違うのかと思わされた》といった厳しい声が殺到してしまいました。運動会企画は、最初の総合演出のA氏が、多くの反対の声を押し切って強引に進めたものだといいます」(前同)

■決起集会でかまいたち濱家が“ブチギレスピーチ”

同じ運動会企画となれば、視聴者は『リンカーン』と比較してしまう。8年にわたって続いた『リンカーン』はダウンタウンを筆頭に、さまぁ~ず、雨上がり決死隊、キャイ~ンの4組がメインで出演。準レギュラーにもおぎやはぎ、中川家、バナナマン、フットボールアワー、FUJIWARAと現在も第一線で活躍する人気芸人が勢ぞろいしていた。

「『リンカーン』の運動会は、当時すでにベテランで芸人界のトップに君臨していたダウンタウンさんが若手と同じように真剣に競技に臨む、体を張るという姿が面白かったわけです。ところが『ジョンソン』メンバーはまだ30代後半~40代前半で、彼らが体を張ったところで普通だし、『リンカーン』の劣化版にしかならないですよね。

そういったことは放送前からスタッフ、レギュラー4組もわかっていたといいます。多くのスタッフ、そして出演者からも“運動会は無理。別の企画でいきましょう”と説得する意見が出たそうですが、A氏は強行してしまった。A氏の判断の裏側には、上層部の意向もあったと噂されていますね……。

ですが、これに“ついていけない”となり、初回放送前に制作スタッフが何人も辞める事態にまで発展してしまったんです」(前出の民放キー局関係者)

『ジョンソン』は始まる前から“内部崩壊”状態にあったようだ。

「制作体制が不安定になるなか、放送開始の1か月ほど前にレギュラー4組とスタッフで決起集会を兼ねた飲み会が行なわれたといいます。4組はスタッフがどんな志で番組に臨むのか、どんな番組にしていきたいのかを確認したいという意図もあり、飲み会を行なったのかもしれません。

しかし、その場で番組上層部は、4組とどんな番組をやりたいか、どんな新たな笑いをやっていきたいかを提示できなかったそうなんです。また、番組の上層部は“『リンカーン』に負けない番組にしたい。だから数字を取るために、『リンカーン』の人気企画をやりましょう”といったことを言ってしまったといいます」(前同)

これでは、レギュラー4組が番組上層部に不信感を抱いてしまうのも仕方がないだろう。

「特にかまいたちの濱家さんが激怒したそうで、決起集会のラストのスピーチで、“『ジョンソン』でどんな面白いものを作っていけるのか聞きたかった。だけどまったく聞けなかった。そんなスタッフとは面白い番組は作れない。信じてついていけない。今は一緒に面白い番組を作っていける空気ではない”といったことを怒りつつも熱く語ったそうです。

同時に“もちろんプロだからオファーを受けてこの場にいるので、自分たちの仕事はしっかりやります。ただ、このままいったら短命で終わりますよ”とガツンとかまし、他の芸人も濱家さんに同意していたといいます。濱家さんはすでにその際に大きな危機感を感じ、変わってほしい、という思いも込めてあえて怒りを露わにして伝えたんでしょうね。

しかし、初回の『芸人大運動会』を皮切りに『ジョンソン』は迷走を続けることになります。4組もプロとして仕事に臨んでいたようですが、番組に対するモチベーションは徐々に低下していったようですね……」(同)

■総合演出交代もすでに「視聴者離れ」は著しく……

視聴率不振や芸人のモチベーション低下を受けてだろう、最初の総合演出だったA氏は更迭され、3月11日放送回からは『クレイジージャーニー』を手掛けているK氏が『ジョンソン』の総合演出も兼任するようになった。

「K氏はとにかく人当たりがよくてコミュニケーション能力が高い人。松本さんともずっと一緒に仕事をしてきた人物でもありますしね。演者やスタッフと対話しながら面白いコンテンツを作っていくTBSバラエティのエース的存在です。総合演出交代時は、4組も“自分たちのやりたいことができる”とモチベーションが上がっていったそうです。

しかし、すでに多くの視聴者は番組から離れてしまっていた。そして、特に視聴者離れの決定打となってしまったのが、昨年11月27日放送の『俺のベストキス発表会』だったと言われていますね」(前出の民放キー局関係者)

「俺のベストキス発表会」は『ジョンソン』メンバー8人が自身の最高のキス体験をドラマ化し、本人役で出演。女性芸人や女性タレント、50人の女性審査員たちが「キスがドラマチックだったかどうか」を基準に審査するという企画だった。

芸人たちが本当にあったキスのシチュエーションを演じ、反響はあったものの視聴者からは、

《ジョンソンの俺のベストキス発表会、誰も得しない企画だなぁ、と思い途中下車させていただきました》
《俺のベストキス発表会、キツイ笑 せめて若手俳優にしてほしい笑》
《ジョンソンのベストキス発表会は気持ち悪くて最後まで見られなかった》

といった声がX(旧ツイッター)には寄せられてしまった。

「笑いなしのガチンコの演技で行なわれた企画ですが、番組の“迷走”の最たる例だったのかもしれませんね。その後も数字はまったく上がることなく、4月22日放送回は2時間SPにもかかわらず、現在、テレビ界で最重要視されるコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)は1.6%と壊滅的結果に。これ以上の上がり目は望めないと判断され、このタイミングで打ち切りが決まったのかもしれません」(前同)

4月22日から約1か月間『ジョンソン』の放送はなく、5月20日の2時間SPでは「エクストリームスポーツマンNo.1決定戦」と題した企画を放送。

SixTONESのジェシー(28)と田中樹(29)と高地優吾(年齢非公表)、なにわ男子の高橋恭平(24)、Travis Japanの中村海人(27)と松倉海斗(26)、HiHi Jetsの井上瑞稀(23)と猪狩蒼弥(21)と、旧ジャニーズ事務所の人気タレントが出演し、『ジョンソン』メンバーと体力勝負を繰り広げたが、世帯視聴率は3.5%、コア視聴率も2.4%にとどまった。

「以降は、現在に至るまで放送がありません。そして9月末での終了決定と。現在のTBS編成を総括する担当者は、大手事務所の吉本が制作に入っているからといって、打ち切りをとどまるような忖度はしない人ですから、わずか1年であっても結果を出すことができなかった番組をバッサリ打ち切ることに決めた、と見られていますね……」(同)

多くの人の記憶に残る『リンカーン』のような番組になることなく、『ジョンソン』はその短い歴史に幕を下ろすことになるようだ――。

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