【韓国ドラマ】素敵な映画がTV版に生まれ変わった!豪華キャスト群像劇『ハッピーニューイヤー』見どころ解説〈前編〉登場キャラ紹介

『ハッピーニューイヤー』(C) 2021 CJ ENM CORP., HIVE MEDIA CORP. ALL RIGHTS RESERVED

素材を生かす、というのは「こういうことなのか」と妙に納得した。

Netflixで配信が始まった『ハッピーニューイヤー<TVシリーズ>』(全6話)のことだ。この作品はもともと韓国で2021年に制作された映画だった。私も日本で公開されたときに何度も解説記事を書いている。心が浮き立つような素敵な映画だった。

その映画が未公開シーンをたくさん入れた拡張版のTVシリーズとして甦った。Netflixでも配信と同時に視聴ランキング上位に入ったので、大きな関心を集めているのは間違いない。(以下、一部ネタバレを含みます)

■心温まる群像劇『ハッピーニューイヤー』前半の見どころ&登場人物紹介

『ハッピーニューイヤー』は、年末で賑わう高級ホテル「エムロス」を舞台にして、14人の登場人物たちの「特別な一日」を感動的に描いている。

驚くのは出演陣の顔ぶれだ。極上のエンタテインメントをつくるために「よくぞこれだけ集めたなあ」と感心するほどの豪華キャストになっている。

作品の特長を象徴的に紹介するためにも、前半に登場する主な俳優と役柄を説明していこう。※カッコ内が演じる俳優名

*「エムロス」のマネージャーで、15年間も男友達への告白をためらっているソジン(ハン・ジミン)

*優秀なイケメンだけどクセがありすぎる、変わり者のホテルCEOヨンジン(イ・ドンウク)

*ミュージカル女優をめざしながらもオーディションに受からない、新米ハウスキーパーのイヨン(ウォン・ジナ)

*公務員試験に落ち続けて恋人にもフラれた、就活生のジェヨン(カン・ハヌル)

*結婚を前に浮足立つラジオプロデューサーのスンヒョ(キム・ヨングァン)と、婚約者でピアニストのヨンジュ(コ・ソンヒ)

*下積みを経てスターの座へ登り詰めたが、所属事務所の問題で悩むイ・ガン(ソ・ガンジュン)と、彼を支えるマネージャーのサンフン(イ・グァンス)

*40年ぶりに初恋の人(イ・ヘヨン)に会って、勤務中でも落ち着かないドアマンのサンギュ(チョン・ジニョン)

*毎週土曜日にホテルでお見合いをして、ことごとく断られている整形外科医のジンホ(イ・ジヌク)

それぞれが抱えている状況が、とても興味深い。そこが群像劇のツボにもなっていて、身の周りにいかにも存在しそうな人々が高級ホテルに集まってくるところにワクワクする。しかも、大みそかに向けてそれぞれが「小さな奇跡」を起こしていく過程がとてもスリリングだ。

その中でも、とりわけ絶望的な身の上になったジェヨンの動向から目が離せない。彼は作品の中で唯一のピエロのようなキャラクターになっている。何をやってもうまくいかなくて、考え方も短絡的だ。

その末に将来を悲観して死を選ぼうとし、不釣り合いな高級ホテルに宿泊する。しかも、可能なかぎりの上層階の部屋を希望するのだが……。

演じているカン・ハヌルの表現力が冴えている。彼は縦横無尽に人間の痛快さを示してくれる俳優だが、この『ハッピーニューイヤー』でも持てる才能を存分に発揮して見る人を楽しませている。本当に引き出しが多い俳優だ。

全体的に物語の前半を見て思うのは、「こうした群像劇は登場人物の設定を順に理解していくのがちょっと大変」ということなのだが、張り巡らされた伏線にシャレたセンスがあるので、後半に向けて物語の展開が本当に楽しみになってくる。

『ハッピーニューイヤー』(C) 2021 CJ ENM CORP., HIVE MEDIA CORP. ALL RIGHTS RESERVED

●作品情報

『ハッピーニューイヤー<TVシリーズ>』

[2022年/全6話]監督・脚本:クァク・ジェヨン『猟奇的な彼女』 脚本:ユ・スンヒ

出演:ハン・ジミン、イ・ドンウク、カン・ハヌル、ユナ、ウォン・ジナ、イ・ヘヨン、チョン・ジニョン

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