高い関心、想定超え240社 「やまがたスマイル企業認定制度」の認定企業

やまがたスマイル企業の認定証のサンプル。最高評価の「ダイヤモンド」には県産西山杉の額が付く

 県内企業のワーク・ライフ・バランスや女性の活躍推進の取り組みを拡大するため県が昨年度創設した「やまがたスマイル企業認定制度」の認定企業が、今月までに240社になった。県は年間100社程度の認定を想定していたが、企業の人手不足などを背景に、企業の関心は高くなっている。県は認定企業に対する優遇措置を拡充しつつ、若者世代など求職者に対する周知も進める方針だ。

 昨年12月の第1回認定で108社を認定し、今年3月までに221社まで拡大。本年度第1回認定日の6月1日にも19社が増えた。「安心して働ける風土づくり」や「仕事と家庭生活の両立支援」などの取り組みの進み具合に応じて3段階で認定しており、最高ランクの「ダイヤモンドスマイル」が131社で最多。「ゴールドスマイル」が92社、「スマイル」が17社で、高いランクほど多くなった。

 事業を担当する県雇用・産業人材育成課働く女性サポート室は「申請が多い背景には、企業の人手不足が深刻な状況がある」と分析する。社員募集時に「県のお墨付き」をアピールできることもあって、企業間の口コミでも認定取得の動きが広がっているようだ。比較的認定を取得しやすい制度設計にして3段階のランクを設けたことで、「もう少し頑張って上のランクを目指そう」と、取り組みを強化する企業もあるという。

 認定企業のメリットも充実してきた。認定マークがPRに使用でき、制度融資の金利優遇などが受けられるほか、県主催の合同企業説明会への優先参加、県の補助事業や補助金の採択審査時の加点も受けられる。市町村にも制度の活用を呼びかけており、河北町はランクに応じて雇用促進補助金を加算する制度を始めた。酒田市も来年度から入札の加点制度を設ける。

 同室では、認定取得をきっかけに、女性活躍推進に関する国の認定制度「えるぼし」の取得を目指すなど、取り組みをさらに進めてもらいたい考え。一方で、企業側に比べて一般への周知が遅れていることを課題に挙げ、学生などに向けたPRにも力を入れていくとしている。

© 株式会社山形新聞社