【インタビュー】トリート「僕たちは素晴らしいレコードを作ることに大きな誇りを持っている」

日本でも根強い人気を誇るスウェーデンのメロディック・ハードロックバンド、トリート。2022年に最高傑作とも言える最新アルバム『THE ENDGAME』をリリースし、母国最大の祭典であるスウェーデン・ロック・フェスティバルに帰ってきた。

2018年の来日公演時からはベースのポンタス・エグベリが脱退、ナリー・ポールソンが戻っている。ナリーを加えた既存メンバー、ロバート・アーンルンド(Vo)、アンダース・ヴィクストロム(G)、パトリック・アッペルグレン(Key)、ジェイミー・ボーガー(Dr)がお馴染みの代表曲たちに『THE ENDGAME』からの2曲を挟み、バックドロップにはその時代の彼らが映し出されていく。この演出自体は珍しくはないけれど、やはりジンと来るものがある。その時代を思い出しながら、しみじみとここまで素晴らしい楽曲たちをたくさん持っているバンドはそう居ないと改めて思わせてくれる。

そして彼らはいつもアットホームな雰囲気を持つバンドながら、しっかりとロックな装いと職人気質なプレイでオーディエンスを楽しませ、合唱を誘い、魅了していた。また、昼間の出演にもかかわらず、パイロが惜しみなく演出されたのもこのフェスティバルならではだろう。

今回、このフェスティバルで特別に時間を取ってもらう事が叶い、アンダースがインタビューにも応えてくれた。

──いかがお過ごしでしたか?ここスウェーデン・ロック・フェスティバルで再会できてとても嬉しいです。

アンダース・ヴィクストロム:全て順調だよ。僕たちもまた会えて嬉しいよ。

──地元ですから、<スウェーデン・ロック・フェスティバル>への出演は特別なものがありますか?

アンダース・ヴィクストロム:もちろんだよ。北欧最大のロックフェスティバルだし、2006年の再結成以来5度目の出演となるよ。今回は2017年以来で久しぶりなんだ。それにこれまでのライヴには素晴らしい思い出しかないよ。

──2022年にリリースされた『THE ENDGAME』の記憶も新しいです。各所での反響はいかがでしたか?

アンダース・ヴィクストロム:とても良い反響で、前作の2枚よりもずっと良かった。4枚のシングルとビデオをリリースしたからかもしれないけど、レコーディングの準備期間も長く取ったからね。

──新作が毎回素晴らしくて驚きます。作品のインスピレーションはどこから?

アンダース・ヴィクストロム:日々の生活の中でインスピレーションを得ていると思いたいけど、実際はバンド活動を始める前に、ソングライターとして何年もかけて培った部分かな。15年以上プロのポップソングライター/プロデューサーとして働いて多くのことを学んだし、今でもリクエストがあれば他のアーティストのためにも曲を書くよ。僕たちは素晴らしいレコードを作ることに大きな誇りを持っているし、それがこのバンドが今でも一目置かれる存在である理由だと心から思っているんだ。

──『THE ENDGAME』はこれまでよりも特にアレンジにこだわった印象です。

アンダース・ヴィクストロム:そうだね、アレンジにより力を入れたと思う。でも、デモでは選べる曲の数も多かったから、素材間のいいバランスを見つけるのにも役立ったよ。

──メロディックなバンドでありながら、トリートはライブバンドでもありますよね。

アンダース・ヴィクストロム:バンドサウンドのメロディックな部分はとても重要で、新しいアルバムのツアー前にはたくさんの新曲を試すんだけど、いつもライブで一番うまくいく曲にこだわるんだ。それが僕らのバンドのケミストリーで、何年経っても曲は色褪せないよ。

──懐メロだけでもライブはできますし、そういうバンドもいますよね。トリートがそうしないこだわりは?

アンダース・ヴィクストロム:そうだね。問題はね、ファンはいつも、長い間、あるいは一度もライブで演奏していないお気に入りの曲を聴きたがるじゃない?(笑)。基本的に、毎晩違うセットリストでフルツアーを演奏することもできるけどね。だからこそ、セットリストに特別なひねりを加えた30周年や40周年記念のライブをやるんだよ。新しい曲は古い曲と同じか、それ以上に良いと思うから必ず演奏するしね。

──『THE ENDGAME』での日本ツアーができなかった事がとても悔やまれますね。

アンダース・ヴィクストロム:そうだね、日本ツアーができなかったのは残念だった。でも、いくつかの曲はもうセットリストに組み込まれて定着しているから、また日本ツアーをする機会があれば、日本のファンは間違いなくその曲を聴くことができるよ。

──待ち遠しいです。次のアルバムや今後のご予定は?

アンダース・ヴィクストロム:2024年の夏から新しいアルバムの一部をレコーディングし始めて、1年を通して続ける予定だよ。ゆっくり時間をかけているけど、新曲は書き続けているので、すでに十分に準備ができているよ。全てが計画通りに進めば、2025年の夏までに新しい音楽がリリースされて、2025年9月頃には完全な新しいアルバムがリリースされる予定だ。そして、それは日本に本格的に戻ってくるのに最適な時期になると思うんだ。

取材・文・写真◎Sweeet Rock / Aki

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