黒木メイサ、7年ぶり地上波ドラマ出演に反響 『降り積もれ孤独な死よ』は演技の深みに期待

黒木メイサが、7月7日スタートの成田凌主演ドラマ『降り積もれ孤独な死よ』(読売テレビ・日本テレビ系)に出演することが明らかとなった。黒木が地上波ドラマに出演するのは、2017年放送の『オトナ高校』(テレビ朝日系)以来、7年ぶりとなる。本人も、「仕事やプライベートで色々な人生経験を積んできた今の私が作品に向き合った時に、今までとは違う視点から物事が見えるのではと思い、演じるのが楽しみです」と語っているように、7年という月日を経て、より深みが増した黒木の演技が見られるのが楽しみだ。

そんな黒木が本作で演じる五味明日香は、山梨県富士山北警察署の刑事。ぶっきらぼうな言動が目立つが、実は後輩である冴木(成田凌)のことをよく理解しているという頼り甲斐のあるキャラクターだ。一軒の人気のない屋敷から13人の子供の白骨死体が見つかった“通称・灰川邸事件”、そしてその7年後に起きた失踪事件の真相を、冴木とともに捜査していく。

ちなみに原作漫画では、五味は女性ではなく五味康弘という名前の男性で、ぶっきらぼうな部分はあまり感じない。そのため、五味明日香がどのような感じで物語の展開に関わってくるのか。ある意味、ドラマオリジナルキャラのような側面も持っているため、本質が掴めない未知数なキャラクターと言えるだろう。

また、ドラマ版『降り積もれ孤独な死よ』は、未完の原作を元にオリジナルの要素を交えて作られているので、結末をしっかり考察できるのもうれしい。累計発行部数100万部超えの大ヒットクライムサスペンス『親愛なる僕へ殺意をこめて』の井龍一(原作)×伊藤翔太(作画)コンビによる最新作が原作となっているというだけで、「絶対に面白いドラマになる!」と思っていたところに、黒木の出演が発表され、またひとつ楽しみが増えた気分だ。

アラサー世代の筆者にとって、黒木は『KATE』(カネボウ化粧品)のCMで圧倒的なオーラを放っていた“憧れのお姉さん的存在”だった。大人っぽくなりたかったあの頃、クールビューティな魅力を持つ黒木が出演するCMに憧れて、KATEのアイシャドウやリップなどを買っていたことを思い出す。

さらに、黒木は『クローズZERO』(2007年)、『クローズZERO II』(2009年)や、嵐が全員で主演を務めたスペシャルドラマ『最後の約束』(フジテレビ系)など、青春を彩ってくれた作品に多く出演していた。とくに、『最後の約束』で見せていた凛とした強気な振る舞いのなかに、脆さが見える繊細な芝居は今でも心に残っているし、2011年放送の『幸せになろうよ』(フジテレビ系)では、コメディでも活躍できる役者であることを印象づけていたのを覚えている。

そのほか、『ルパン三世』(2014年)で演じた峰不二子など、クールビューティを全面に押し出したキャラクターは、黒木の得意分野と言えるだろう。そして、クールな振る舞いのなかに、相手への情を見え隠れさせるのもうまい。『降り積もれ孤独な死よ』でも、成田が演じる冴木をあしらいながらも、実は優しさを持っているツンデレっぷりが見られるだろうか。

『降り積もれ孤独な死よ』には、成田凌と黒木のほかにも、吉川愛や小日向文世、野間口徹など実力派キャストが勢揃い。また、萩原利久や佐藤大樹、松本怜生に杢代和人と、期待の若手陣も集結している。予測不能な結末を考察しながら、役者陣の芝居合戦も楽しみたい。

(文=菜本かな)

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