ドルフィンズにはスーパーボウル制覇の「絶好のチャンスがある」とDEキャンベル

カライス・キャンベル【NFL】

ディフェンシブエンド(DE)カライス・キャンベルには、NFLのキャリア17シーズン目に再挑戦する理由が2つあるという。

第一に、キャンベルは新しい自分のチームにはスーパーボウル制覇が可能だと考えている。第二に、まだ自身が高いレベルでプレーできると、キャンベルは信じている。

先週、キャンベルはマイアミ・ドルフィンズと契約を結び、引退という考えをもう1年先延ばしにした。キャンベルはドルフィンズに入団したことで、自身初のスーパーボウル制覇に向けて絶好のチャンスを得たと信じていると、地元メディアに現地18日(火)に明かしている。

キャンベルは「このチームと契約した大きな理由は、絶好のチャンスがあると感じたからなんだ」と語り、こう続けた。

「オフェンスもディフェンスも、フィールド全体に才能ある選手たちがそろっているチームだ。ロースターを見れば分かるけれど、一緒にプレーしながら、チームに必要な絆をしっかりと築くことができれば、手強い存在になると思うよ」

「・・・このディフェンスはトップクラスになる、いやトップに立てると思う・・・あまり無茶なことを言うつもりはないけれど、本当にいいディフェンスになるだろう」

もうひとつの大きな決め手は、新しい守備コーディネーター(DC)アンソニー・ウィーバーの存在だった。キャンベルとウィーバーDCは2021年から2022年にかけてボルティモア・レイブンズで2シーズンをともに過ごしている。この期間中に29試合(先発28試合)に出場したキャンベルは、タックル47回(そのうち9回はロスタックル)、サック7回、ファンブルリカバリー2回をマークした。

キャンベルはドルフィンズと契約する決め手になった要因として、ウィーバーDCを “ものすごく重要な”存在だとし、「他にもたくさんのチームが自分に興味を持っていたからこそ、彼(ウィーバーDC)の存在が大きかった」と言及しつつ、次のようにつけ加えている。

「ここに来たかった一番の理由は、1人のコーチとしてのアンソニー・ウィーバーという存在と、コーチと自分との関係を本当に信じていたからだ。契約に至るまでの過程でたくさん話をしたよ。彼は俺の能力を知っている。俺の考え方やゲームの見方を理解して、俺を信頼してくれているんだ」

昨シーズンに17試合に先発し、サック6.5回、クオーターバック(QB)ヒット17回を記録してオフシーズンに注目を集めたキャンベルだったが、この先に待ち受けている肉体的なハードワークへの覚悟はできているのかと自問自答し、今オフシーズンに引退することも考えたという。なにしろ、キャンベルは9月1日に38歳になる。そして、その年齢のディフェンシブライン(DL)の選手がNFLでプレーすることはほとんどない。

キャンベルは「(引退は)考えたさ。でも、長くは考えなかった。この3、4年はシーズンを全力で駆け抜けて、自分のすべてを出し切るようにしているんだ。そうすれば、その年の終わりに引退したいと思ったときに、フットボールにすべてを捧げたと感じて終われるからね」と話し、こう続けている。

「シーズンが終わっても、体の調子がすごくよかったんだ。何もかもが最高の状態だった。まだ高いレベルでフットボールをしているんだから、もう一度やってみないかって感じだったんだよ」

プロボウルに6度選出され、ウォルター・ペイトン・マン・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた経歴を持つキャンベルは、素晴らしいキャリアを築いてきた。キャンベルはサック105.5回を記録し、歴代2位タイとなる、キャリア通算セーフティ3回をマークしている。

しかし、キャンベルにはまだ達成していない大きな目標が一つある。それは悲願のスーパーボウル制覇だ。2008年にアリゾナ・カーディナルスのルーキーとしてスーパーボウルに出場したキャンベルには、その後もカンファレンスチャンピオンシップゲームに2回出場する機会があった。今回のチャンスが最高のものになることを願うキャンベルは、次のようにコメントしている。

「ルーキーイヤー以来、あの大きな舞台でプレーするチャンスがなかったからこそ、こういうチームに来たことで、チャンスがあると感じているんだ。もちろん、今はどのチームもロンバルディトロフィーを掲げるチャンスがあると感じていて、全32チームが自分たちこそがそのチームになれると思って戦っている。難しいけどね」

「長い間プレーしてきて、それを手にするに値するチームがいくつかあると感じていたけれど、結局はそこに到達できなかった。達成できなかったんだ。それ以上のものが必要だ。でも、それが大きな部分を占めていて、このチームにはチャンスがあると信じているし、今の自分ならその手助けができると信じている。俺は多くの価値をもたらせると思うよ」

それでも、プレーを続けたいという気持ちが自分の中でまだ熱く燃えていなければ、もう1年挑戦することはなかっただろうとキャンベルは言う。

「俺を支えているのは、このゲームへの愛なんだ。ゲームへの愛が一番さ。幸運にもプレーできている、真のファンみたいなものだよ」

「若い選手たちと話すと、あいつらは“なんでまだやってるんですか?”って聞くんだ。それは俺がこのゲームが好きだし、まだうまくやれているからさ。でも、下手になりたくはないね。それは確かだ。もし自分のプレーが落ちていると感じたり、大事な場面で結果を出せなくなったりしたら、そのときは引退するときだと思うよ」

その時はまだ来ていない。

【KO】

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