5点差九回に2被弾逆転負け ドジャース戦 勝利まであと1球からスイング巡り暴言退場のロッキーズ監督「振っていた」

 ロッキーズのブラック監督

 「ロッキーズ9-11ドジャース」(18日、デンバー)

 地区最下位を“独走”するチームらしい戦いぶりだった。20を超える借金にあえぐロッキーズが九回に5点リードの守り切れずに逆転負けを食らった。勝利まであと1球からハーフスイングの判定を巡ってブラック監督が暴言退場。その直後に逆転弾を浴びる後味の悪い敗戦。3連敗で借金は23に膨らんだ。

 標高1マイル(約1600メートル)の高地にあるクアーズフィールドが異様な空気に包まれた。5点リードの九回からマウンドに上がった防御率7.81のリリーフ右腕キンリーが1死満塁からヘイワードに代打満塁被弾。1点差に詰め寄られると、新たに右腕のボドニックを投入する。

 楽勝ムードから一転、1点を争う展開。スクランブル発進となった右腕は大谷に痛烈な左前打を許すと、暴投で同点のランナーを得点圏に進めてしまう。1死から3番フリーマンを申告敬遠で歩かせ、4番T・ヘルナンデスで勝負。カウント1-2とし、勝利まであと1球としたところで高めの釣り球を投じた。

 スイングの途中で止めたバットを見て、一塁側ベンチのロッキーズ首脳陣は勝利を確信したが、一塁塁審の両手を真横に広げて「ボール」の判定。その瞬間、ブラック監督は激高。塁審に向かって暴言を吐き、退場処分を宣告された。

 カウント2-2。監督の退場劇に集中力をそがれたのか、甘く入った163キロにヘルナンデスのバット一閃。悪夢の逆転弾が右翼フェンスを越えた。

 試合後のブラック監督は眉間にしわを寄せ険しい表情。ベンチで怒りを爆発させたスイングについて問われると、「振っていた。ハーフスイングだったが、振ったと思った」ときっぱり。四回まで7点を奪い、ドジャースの先発ビューラーをKOしたこと、中堅ドイルが大谷の痛烈な打球を超美技で阻止したことなどを挙げ、「いいプレーがたくさんあった」と選手たちを称えながら「チームにとっては厳しい試合になってしまった」と話した。

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