“大輪”夏の夜空に 酒田、花火作り最盛期

段ボールなどで作られた「玉皮」に火薬を詰める安藤孝二さん=酒田市中野俣

 酒田市で8月3日に開催予定の「酒田の花火」。夏に欠かせないイベントに向け、同市内の工場で花火作りが最盛期を迎えている。

 製造から打ち上げまで一貫して行う県内唯一の花火製造業者「安藤煙火(えんか)店」(安藤周一社長)が手がける。一時、販売と打ち上げに業態を絞ったが、2006年に製造を再開した。酒田の花火大会で打ち上げ予定の約1万2千発のうち、半分ほどを担当する。

 同市中野俣の工場は、工程ごとに計10棟が並ぶ。火薬に水を加えながらかき混ぜて天日干しにする作業を約1カ月間繰り返す。火薬を段ボールなどで作った「玉皮(たまがわ)」に詰め、クラフト紙を貼り合わせて完成する。

 安藤孝二取締役(42)は「根気のいる作業が多く、完成には2、3カ月必要だが、夏を楽しんでもらおうと心を込めている」と話す。夏の花火大会に向けた製造のピークは8月初旬まで続く。

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