チリ塩原でのリチウム開発、54社から参加提案

Fabian Cambero Daina Beth Solomon

[サンティアゴ 18日 ロイター] - チリのマルセル財務相は18日、同国の塩原でリチウムを開発するプロジェクトに10カ国の54社から関心が寄せられたと発表した。

政府は4月、塩原二十数カ所でのプロジェクトへの参加を呼びかけ、17日に募集を締め切った。マルセル氏によると、54社から計88件のプロジェクトについて参加提案の文書が提出された。

同氏は、さまざまな規模の国内外企業から提案があったとし、「この産業への投資に対し、非常に幅広い関心があるのは明らかだ」と述べた。

複数の社から提案があった塩原については、財務省が追って詳細を発表する。鉱業相は4月、単一の場所に複数社から関心が寄せられた場合には入札を行うと表明していた。

ただ投資家からは、過去に採掘コンセッションが付与されている塩原で政府がリチウム開発契約を結ぶ場合、ある種の二重所有権が発生するのではないか、と懸念する声も上がっている。

米国の駐チリ大使、バーナデッテ・ミーハン氏は18日、米企業がリチウム抽出と、電池などリチウムを使った部品生産の両方に強い関心を抱いていると述べた。

チリのリチウム産業はオーストラリアに次いで世界2番目の規模。チリは今回、完全に開発されていない塩原について民間から提案を募ったが、開発が進んでいるアタカマ、マリクンガ両塩湖については国の管理下にとどめている。

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