広島新庄・石津エースの自覚 打倒広陵で3年ぶり夏切符目指す「とにかく0点で抑える」

 キャッチボールで調整する広島新庄のエース・石津(撮影・畠山賢大)

 強豪であり続けるために-。広島新庄は分岐点となり得る夏を迎える。7月6日に開幕する全国高校野球選手権広島大会で21年以来3年ぶりの頂点を目指すチームは昨秋の県大会で準優勝しながらも春は1回戦で崇徳に0-1で敗れた。ダークホースとして迎える今年の夏はエース・石津慶大投手(3年)を中心に守り勝つ野球を展開する。

 言葉からはエースの覚悟とチームを背負う責任感がにじみ出た。最速143キロ右腕の石津は「これまで負けた時は僅差の試合。とにかく0点で抑えることを意識して相手に1点もやらない投球をしたい」と気合十分。堅守を持ち味とする新庄の旗振り役になる心意気を示した。

 スリークオーターのフォームから投げ込む快速球と、空振りの取れる切れ味鋭いスライダーが武器。夏に向けては「調子が良くても悪くても試合がつくれるようになってきた。スライダーは両コーナーに制球できるように取り組んでいて段々良くなっている」と手応えを口にする。

 4月にはセンバツ不出場ながら、侍ジャパンU-18代表候補に選ばれ、強化合宿に参加した。「全国トップレベルの選手とプレーして、甲子園は遠いと思ったのが正直な気持ち」。広陵・高尾と大阪桐蔭の最速154キロ右腕・平嶋に衝撃を受け、練習に臨む姿勢にも変化が生まれたという。

 その高尾擁する広陵を倒さなければ甲子園への道はない。石津が「広陵はずっと甲子園に出ていて、もう見飽きた。1年春からずっとやられているし、絶対に倒したい」と意気込めば、小田主将も「広陵は強いけど、倒さないと上にはいけない」と呼応。チーム全体で思い描く青写真は“打倒・広陵”からの夏切符だ。新庄史上最弱と言われてスタートした現チームが集大成の夏で大暴れする。

 ◇石津 慶大(いしづ・けいた)2006年12月12日生まれ、17歳。広島県広島市出身。投手。右投げ右打ち。175センチ、78キロ。戸坂城山小3年時に戸坂ウイングスで軟式野球を始め、戸坂中では軟式の広島REXに所属。最速は143キロで持ち球は直球、スライダー、カットボール、チェンジアップ、ツーシーム。

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