リベラウェア、国交省のSBIRフェーズ3採択事業「Project SPARROW」コンセプトムービー公開

by ドローンジャーナル編集部

2024年6月10日、Liberaware(リベラウェア)は、国土交通省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)/鉄道施設の維持管理の効率化・省力化に資する技術開発・実証」において採択された事業「Project SPARROW」のコンセプトムービーを公開した。

プロジェクト名のSPARROW は、「SPecialized Aerial Remote Railway Observation Work platform」の頭文字。雀(Sparrow)のように都市部から農耕地域まで広いエリアに生息し、日本社会の身近な存在になるというプロジェクトへの想いが込められている。

鉄道業界では、保有アセットの平均年齢が経年50年を超え、全体的な老朽化が進んでいる。自然災害の激甚化・頻発化による設備の損傷等も増加している。一方、生産年齢人口の減少などから、より少ない人数での点検・保守が求められている。また鉄道現場は「触車」「感電」「墜落」という特有の労働災害と隣り合わせで、設備の損傷リスクだけでなく現場作業員の人命にかかわるリスクもある。加えて、頻発する災害時の早期運転再開に向け、二次災害のリスクを回避しながら迅速に被災状況を把握することが求められている。

鉄道特有の環境に対応するため、列車回避機能や周辺環境を考慮した機能を有するドローンとともに、ドローン運航管理システムと連携したデジタルツインを開発し、これらを組み合わせた点検ソリューションの現場投入を目指す。

同プロジェクトでは、鉄道現場における巡視点検と災害環境における一時確認ができる自動巡回ドローンと、ドローンが収集した情報を閲覧・分析できるデジタルツインプラットフォームを開発し、鉄道インフラ点検における安全性向上と生産性向上を実現する。特に人口減少の著しい地方路線において、当該ソリューションは大きな効果を発揮するという。

また、災害発生時にドローンが現地でデータを収集することで復旧時間を短縮し、対応力の強化を図る。

コンセプトムービーのテーマは、プロジェクトで実現していく鉄道現場の未来の姿。触車、感電、墜落といったリスクを抱えた状態で従来の点検作業をする「人」と、それらのリスクを払拭し新たな点検ソリューションとして機能する「ドローン(※1)」「運航管理システム」「デジタルツイン」に焦点を当て、安全性向上と生産性向上が実現する未来を表現している。

※1 ムービー内に登場するドローンはイメージ段階のCG。

コンセプトムービー抜粋

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