“スピース・ルール”で失格者が減る? スコア提出後15分以内は訂正可能に

“スピース・ルール”で失格者が減る?(撮影:GettyImages)

今週開催のPGAツアー「トラベラーズ選手権」から新ルールが採用される。これまでスコア提出後、退出した時点で訂正は不可だったが、「15分間」は訂正が可能となる。

PGAツアーは「USGA、R&A、DPワールド(欧州)ツアーと協力し、スコアカードの間違いに関連する罰則、失格を最小限に抑えることを目標に改正に取り組んできた」と選手にメモを送った。

今年2月、シグネチャー大会の一つ「ジェネシス招待」でジョーダン・スピース(米国)が失格になったのは記憶に新しい。第2ラウンドで4番パー3をボギーとしたスピースだが、誤って「3」のパーでスコアを提出。過少申告のため失格となった。のちにスピースは「トイレに行きたかったため、急いでサインした」と確認不十分だったことを認めている。新ルール下では退出後15分以内にスコアを訂正すれば、失格は免れる。

サスペンデッドの影響ですぐに予選カットが行われ、次のラウンドが始まる場合などいくつかの例外はあるが、通常では15分間の猶予が認められる。

このルール変更はPGAツアー、PGAツアーの共催大会や、DPワールドツアーでも採用される。

スコアカードのミスといえば、1968年の「マスターズ」で故ロベルト・デ・ビセンゾ(アルゼンチン)がプレーオフを逃した一件が最も有名だろう。最終日に「65」をマークしたビセンゾだったが、マーカーだったトミー・アーロン(米国)が17番パー4の「3」を誤って「4」と記入。ビセンゾはそのままスコアカードに署名をしたため、「65」が「66」となり、1打差でプレーオフを逃した。(文・武川玲子=米国在住)

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