有人宇宙船「スターライナー」の帰還、26日以降に–スラスターなどが原因

Boeingは米国時間6月18日、「CST-100 Starliner」(スターライナー)の地球への帰還を26日以降に延期すると発表した。

Starlinerは有人飛行試験(CFT)として、宇宙飛行士のButch Wilmore氏とSuni Williams氏を乗せて「Atlas V」ロケットで6月5日に打ち上げられた。2人の宇宙飛行士は、6日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着した

機体に搭載された28基の反応制御スラスターのうち5基が故障するなどのトラブルがあったが、無事ISSにドッキングした。宇宙船からの複数のヘリウム漏れが検出されたが、地球への帰還に問題はないと判断されている。

地球への帰還は、6月22日が予定されていた。しかし、Starlinerに発生した推進器(スラスター)のトラブルシューティングと船外活動のために、26日以降となった。

Starlinerは26日、ニューメキシコ州のホワイトサンズ宇宙港に着陸する予定。ISSとのドッキングを解除したStarlinerは、パラシュートで降下し、エアバッグで砂漠に着陸する。今回は、宇宙飛行士を乗せた米国の宇宙船が地上に降下する初めてのケースとなる。

Starlinerは4人乗りの宇宙船で、NASAとの契約「商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)」のもと、宇宙飛行士をISSに輸送することを目的に開発された。Boeingと同じくCCPを契約している米Space Exploration Technologies(SpaceX)はすでに実運用され、これまでに8回のISSへの有人飛行を実施している。

地中海の上空高度423kmで周回するISSにドッキングしているStarliner(出典:NASA)

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Boeing発表
NASAプレスリリース

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