神戸・中央市民病院で医療事故 80代男性患者の大腸がん治療を1年間怠る

神戸市立医療センター中央市民病院=神戸市中央区港島南町2

 神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)は19日、大腸がんと診断した患者の治療を約1年間怠る医療事故があったと発表した。別部位のがん治療を優先し、担当医同士の引き継ぎが不十分だった。

 病院事務局によると、患者は同市の80代男性。2022年11月、CT検査でステージ4の前立腺がんと脊椎転移、大腸がんが確認された。病院側は脊椎転移について緊急度が高いと判断し必要な手術や治療を実施。男性が23年12月、腹痛や下痢の症状を訴え検査したところ、大腸がんの治療が放置されていたことが判明した。

 脊椎転移などの治療を担った医師らが引き継ぎを失念し、大腸がんの担当医も、この患者の大腸がんを知っていながら連絡・調整を怠っていた。男性は今年2月に大腸がんの手術を受け、術後の経過は良好という。(金 旻革)

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