「爆風の強さわかる送風機」「溶けた瓶にタッチ」原爆資料館リニューアルに向け小学生がワークショップ

長崎原爆資料館の展示更新に向け、長崎市が様々な年代の意見を取り入れるために開くワークショップの初回が、19日市内の小学校で開かれました。

ワークショップに参加したのは、爆心地近くにある長崎市立城山小学校の5年生です。児童たちは前日18日に資料館を訪れ、展示見直しの検討が進められている「原爆投下に至る歴史を紹介するコーナー」などを見学、自分たちの目線で見直しポイントをチェックしました。

「説明を長く書いてくれるのもいいけど、ここは大事だよ、重要なポイントだから押さえてという所は違う色がいい」「どの国が核兵器を持ってるかは良く分かったけど、どうせだったら日本も書いてほしいな。日本は核兵器を持ってないけどアメリカの核の傘には入ってるよ」

見学を踏まえて開かれたワークショップでは、これまで識者らによる審議会では出てこなかった様な新しいアイデアも提案されました。

「サイダーの瓶が溶けたものとか触れたらいいんじゃない?」「見学で疲れている人が多いと思うので、ベンチとかも増やしたらいいと思います」「送風機で爆風の強さが分かるようにしたらいいと思います」「クイズなどを入れるとおさらいもできるし子どもたちも楽しめるんじゃないかな」

審議会の委員でもある長崎大学核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授は「取り入れるべき意見ばかりだったと思っています。小学生の意見が全体の基盤・基調になりうるんじゃないかなと正直思っています」と話していました。

長崎市は当初被爆80年に向けたリニューアルを予定していましたが、完成を再来年度以降に延期、様々な世代を対象にしたワークショップを今後2回開き、今年度中にまとめる基本設計に反映させる方針です。

© 長崎放送株式会社