藤井聡太八冠 タイトル死守へ大一番 叡王戦第5局 地元・瀬戸市は早くも緊張感に包まれる

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将棋の八大タイトルをすべて手にする藤井聡太八冠はタイトルを守ることができるのか。注目の対局・叡王戦第5局が、いよいよ20日行われます。対局が行われる現地の会場、そして藤井八冠の地元・瀬戸市は、早くも緊張感に包まれています。

藤井聡太八冠に、同学年の伊藤匠七段が挑む、「叡王戦・五番勝負」。 その第5局が20日、山梨県・甲府市で行われます。 17日に行われた棋聖戦第2局から中2日での対局。棋聖戦第2局の前日会見では、藤井八冠は棋聖戦だけでなく、この叡王戦に向けた準備に時間を費やしていたことを明かしています。 「(棋聖戦)第1局から第2局まで対局もなかったので、あすの(棋聖戦)第2局とその後の叡王戦も意識しながら過ごしていたという感じ」(藤井八冠) ともに、2勝2敗のタイで迎える、大一番。藤井八冠が伊藤七段に敗れると、初めてタイトルを失います。

会場は老舗旅館

そんな運命の最終戦、舞台は、創業95年の「常磐ホテル」。 大人1人あたり1泊2食付きで、3万5000円からの高級老舗旅館です。 「常磐ホテル」では、これまで、数々の将棋や囲碁のタイトル戦が行われてきました。館内には、その時の写真などが展示されています。 まさに“タイトル戦の聖地”のような場所ですが、実は―― 「毎年3回、4回と会場に指定して頂いていますが、皆さんご存じの通り、藤井八冠が怒涛の勝ちっぷりですので、シーズン前で決着することが多かった。ですから3年常盤ホテルでは間隔があいた」(常盤ホテル営業部長 小沢行広さん) 「常磐ホテル」は、タイトル戦の五番勝負や七番勝負の最終局の開催地として選ばれることが多くありました。 タイトル戦は、番勝負の前半で決着してしまうと、そのあとの対局は、キャンセルされます。 「常磐ホテル」で最後に行われたタイトル戦は、2021年の叡王戦。 以降、7回連続でキャンセルされているため、20日の対局は、ホテルにとって3年ぶりのタイトル戦となります。 「緊張もありますね。近年まれにみる全国皆様の注目が対局に集まりますので、もてなしの心は忘れずに対応させていただきたい」(小沢さん)

恒例となった「くす玉づくり」

一方、藤井八冠の地元、愛知県瀬戸市では―― タイトル戦では恒例となった、くす玉づくりが行われていました。垂れ幕には「叡王戦4連覇を達成しました」と書かれています。 「藤井聡太叡王名人ならやってくれると思いますので、絶対勝っていただけると思います」(瀬戸将棋文化振興協会 加藤有理香さん) 20日の対局に向けて作られたくす玉は2個。商店街と尾張瀬戸駅に隣接する商業施設に設置される予定です。 「私たちはくす玉を作って藤井聡太叡王名人を信じて待つだけです」(加藤有理香さん)

おなじみの応援メニューが完成

瀬戸市内はすでにお祝いムード…? 尾張瀬戸駅前の「喫茶スマイル」では、すでに応援メニューが完成していました。 “末永く八冠でいられますように”という思いを込めた応援メニュー「スマイル末長~パフェ」(888円)。八の字に巻かれた長さ50センチの虹色のグミや八個の白玉、似顔絵を描いたチョコパイがパフェに乗せられています。 「前回は多少不安がありましたが、今回は勢いで絶対勝ってくれるという楽しみで明日みんなでここで応援していきます。勝ちます!前回も信じて勝ってくれましたから」(喫茶スマイル 鈴木松子 店長)

杉本昌隆八段「いい状態で最終局を迎えられると思う」

大一番を前に藤井八冠の師匠、杉本昌隆八段は―― 「最近顔を合わせた時は表情も明るかったですし、いい状態で最終局を迎えられると思う。藤井八冠にはもちろん今まで通りの勢いのある将棋で勝ってほしい。そして伊藤七段もあと1番ですから本当にいい将棋を指していただいてタイトル最後どちらがとるんだろうというような将棋になってほしい」(杉本八段)

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