次世代王者候補ブロック・フィーニーが逆襲。僚友ウィル・ブラウンを降し連勝を達成/RSC第5戦

 オーストラリア大陸北端に位置するヒドゥンバレー・レースウェイにて、名物イベント『ダーウィン・トリプル・クラウン』が開催されたRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ第5戦は、北米大陸でのNASCARカップシリーズ挑戦を終えた選手権首位の僚友ウィル・ブラウン(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロZL1)を打ち負かし、ブロック・フィーニー(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロZL1)が土日両ヒートを制する連勝を記録。改めて、名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)所属の次世代チャンピオン候補としての存在感を見せつけた。

 北部ノーザンテリトリー州において、参戦各車が現地先住民に敬意を表する“インディジナス・リバリー”の特別カラーまとうイベントを前に、シリーズは前戦『パース・スーパースプリント』を実施したウエストオーストラリア州パースにて、2026年より「新たなストリートレースを開催する」とのプランを発表した。

「それは素晴らしいことだね。僕自身、家族の多くがここで多くの時間を過ごしており、フットボールの大ファンなのでこの地域にはかなり精通している。近隣をよく走り回っているが、この計画があると聞いたとき『とても素晴らしい』と思ったよ。絵のように美しく、とても雰囲気が良く、この地域で過ごすとちょっとした休暇を過ごしているような気分になるからね」と、今季よりパースに移住したばかりのアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/シボレー・カマロZL1)。

「だから、この地域にレースの側面を少し取り入れることは追加ボーナスになる。実際、ストリートサーキットとワネルー(バルバガロ・レースウェイ)との違いは大きく、あそこは市街地から遠く離れた場所でアクセスが不便だった」

「市街ならすべてのアクションに参加でき、ホテルは何百万軒もある。電車、バス、さらにUber(ウーバー)を使うこともできるなら、人々は『なぜそうしないのか? レースを観に行ってみればいい』と思うだろう。だから、まったく新しい群衆が生まれるはずさ」

 こうして始まった6月15~16日の週末は、カップシリーズ帰りのブラウンと前戦勝者キャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)がどんな走りを見せるかに注目が集まるなか、土曜予選のトップ10シュートアウトでは“伏兵”とも言うべきジェームス・ゴールディン(プレミエアー・ニューロン・レーシング/シボレー・カマロZL1)が、フィーニーを退けてのポールポジションを奪う。

「信じられない、言葉では言い表せない」と、わずか0.0789秒差で栄誉を勝ち獲ったゴールディン。

「すべてはここにいるチームのおかげだ。彼らの笑顔を見ればわかるように、僕らが懸命に努力してきた後に、こんな結果を見るのは素晴らしいことさ。まだ僕は、これからもっと上達すると思うよ!」

参戦各車が現地先住民に敬意を表する”Indigenous liveries(インディジナス・リバリー)”の特別カラーまとうイベントに
北米大陸でのNASCARカップシリーズ挑戦を終えた選手権首位の僚友ウィル・ブラウン(レッドブル・アンポル・レーシング/シボレー・カマロZL1/右)とキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)
土曜予選のトップ10シュートアウトでは“伏兵”とも言うべきジェームス・ゴールディン(プレミエアー・ニューロン・レーシング/シボレー・カマロZL1)がポールポジションを奪った

■完勝のフィーニー、レース2で「勝つのはかなり難しいだろうと思っていた」

 迎えた48周スプリントのレース1は、オープニングでポジションを守ったゴールディンに対し、わずか4周でパッシングポイントを見極めたフィーニーが首位浮上に成功。ターン6のヘアピン進入へのブレーキング競争で一瞬交錯し、接触が審議対象となったもののスチュワードからのお咎めはなし。

 そのままレースを通じてマージンを拡大した“ウインカップの後継者”が、追い縋ったマーク・ウインターボトム(チーム18/シボレー・カマロZL1)や僚友ブラウン、そして4位に下がったゴールディンらを従え週末最初の勝利を手にした。

「最初の数周はジミー(・ゴールディンの愛称)に対して、ハードないいレースができた。こちらには本当にいいスピードがあることを知っていたから早めに動き出して、その後はもうロケットシップさ。彼に対してターン5でスピードに乗せられることが把握できていたから、そこへ飛び込んだんだ」と勝因を語ったフィーニー。

 これでトラックに対する自信も得たか。明けた日曜の予選も制したフィーニーは、ポールポジションからライト・トゥ・フラッグを完遂。オープニングラップでは、ワイルドカード参戦のクーパー・マレー(トリプルエイト・レースエンジニアリング/シボレー・カマロZL1)とハイムガートナーが大クラッシュを引き起こしセーフティカーが出されたものの、ブラウンと王者ブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)を抑え切り、週末完勝を果たした。

「おそらく、勝つのはかなり難しいだろうと思っていた。『なんてこった』と思うほど、背後のウィル(・ブラウン)は速かった。ここに戻ってこられて興奮している」と喜びを爆発させたフィーニー。

「今週末は2勝、今日のシュートアウトではポールポジションを獲得。公式のトリプルクラウン(週末スプリント3ヒート)ではなかったけれど、結果には本当に満足している」

 これでランキング首位ブラウンとの差を108ポイントにまで縮めたフィーニー。続くRSC第6戦は、7月5~7日にリードパーク市街地トラックにて『NTIタウンズビル500』が控えている。

レース1では、わずか4周でパッシングポイントを見極めたブロック・フィーニーが首位浮上に成功
レース2の開始直後に絡んだアンドレ・ハイムガートナー(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/シボレー・カマロZL1)とクーパー・マレー(トリプルエイト・レースエンジニアリング/シボレー・カマロZL1)
「『なんてこった』と思うほど、背後のウィル(・ブラウン)は速かった。戻ってこられて興奮している」と喜びを爆発させたブロック・フィーニー

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